今季は4人が到達した通算1000安打、達成率4.5%の狭き門をくぐる意味

今季は大島、田中、陽、秋山の4人が達成

 今季、最初に1000本のテープを切ったのは、残り42安打で開幕を迎えた中日の大島。4月30日に阪神の能見からレフト前ヒットを放ち、早々に達成した。これに続いたのが、DeNAの田中浩康だった。昨季までヤクルトでプレーした田中は、山田哲人の成長に伴いポジションを追われ、昨年オフに戦力外通告を受けた。自由契約となった後、DeNAと契約を結んで1000本安打達成。ここまでの道のりを考えると、感慨深いものがあっただろう。

 今季3人目の達成となったのは、昨オフ巨人にFA移籍した陽岱鋼。8月の達成は、当初の予想よりもかなり遅い。コンディション不良のためキャンプから出遅れたためだが、1軍に合流してからリードオフマンとして安打を量産している。

 そして8月31日には、開幕時に残り154安打もあった秋山翔吾が、上にいる選手をごぼう抜きにして、史上289人目の1000本安打を達成した。まさに脂の乗り切った28歳。初の首位打者を目指し、現在も安打を量産中だ。

 西武では、秋山よりも2歳若い26歳の浅村も、節目にあと11本と迫っている。残り6本の広島のベテラン捕手・石原は38歳。今季は曾澤と併用されているが、どちらが早く大台に到達するか。

 今季中の達成が確実と見られた日本ハムの中田翔は、スランプの年を迎え、規定打席以上のパ・リーグ打者の中では最下位の打率.204。今季中の達成は難しそうだ。ここまでのスランプは、本人にも予想外の結果ではないだろうか。

 ヤクルトは3人達成の可能性があったが、2015年首位打者の川端は椎間板ヘルニアの手術を受けて今季全休。畠山も開幕直後の4月18日に負傷して以来1軍には登録されていない。大引も毎日出場するわけではなく、1000安打到達は難しそうだ。

 これまで6400人以上が1軍の試合に出場したNPBだが、1000本に達したのは秋山翔吾でようやく289人。達成率はわずか4.5%という狭き門だ。中には、998安打で涙を呑んだ元広島の興津立雄のような例もある。打者にとっては。どうしても到達したい大きな目標と言えるだろう。

 今季はあと何人が1000本をクリアするだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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