ホークス工藤監督、粘投の武田を評価「もう1回登板機会を与えようと思う」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

CSへ入念準備「今なら失敗してもいい」

 ソフトバンクが61年ぶりとなる92勝に到達した。28日の西武戦(ヤフオクD)。先制点を許す展開も、中盤に西武投手陣の自滅に乗じて、試合をひっくり返した。8-5で勝ち、今季のヤフオクドームでの西武戦の成績を11勝1敗とした工藤公康監督は「そういうところは大事にしないといけないけど、かといってクライマックスで勝てる保証はないから」と、勝って兜の緒を締め直していた。

 先発の武田は初回に山川に2ランを浴びて先制点を許したものの、2回から6回までは走者を出しながらも、粘りの投球でゼロを並べた。100球を超えた7回に四球と安打で無死一、三塁とされたところで降板し、リリーフ陣が打たれて3点を失ったが、今季6勝目をマーク。右腕について、指揮官は「球に力はあったし、それは最後まで落ちなかった。前回よりもいい形、しっくり来ているところが本人にもあると思う」と評価し、「もう1回登板の機会を与えようと思う」と、残り試合でもう1試合登板させる考えを示した。

 攻撃面では、クライマックスシリーズを見据えて、様々な策を繰り出していった。5回無死一、二塁で松田に犠打を指示し(失敗し、その後中前安打)、7回1死一塁では初球で吉村が送りバントの構えを見せ(結果は見逃し)、1死一、三塁とした後には代打・川島でスクイズを試みた。

 いずれも成功はしなかったものの、工藤監督は「シーズン中から試合で練習しておいたほうがいいと。今なら失敗してもいい。いきなり全てが成功するわけじゃない。今のうちに練習しておかないと」という。打者が三塁コーチにサインを確認する場面もあったが、これについても「細かくやっているから」と語っていた。

 8点を奪ったものの、放った安打は5本。西武投手陣の10四死球と、相次ぐワイルドピッチなどのバッテリーミスに助けられた感も強い。シーズンは残り4試合。「(CSに向けて)順調にいっているところもあれば、いってないところもある。ただ調子のいいメンバーで28人を作るというのは変わらない。ベンチで頑張ってくれていた人たちは今、試合に出るチャンスがある。そこで調子を上げていってもらいたい」と工藤監督は願っていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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