試合前に「すみません」 19残塁から一夜、謝った横尾を変えた栗山監督の言葉

日本ハム・横尾俊建【写真:石川加奈子】
日本ハム・横尾俊建【写真:石川加奈子】

NPBタイ19残塁を記録した翌日の試合で決勝犠飛「監督と話して気持ちの整理ができた」

 日本ハムの横尾俊建内野手が30日、本拠地での西武戦で8回に値千金の決勝犠飛を放った。

 レアードの左前打で3-3の同点に追いついた直後だった。なおも1死一、三塁の場面で西武・シュリッターの初球高め直球を豪快に空振り。「狙いは変えず、何とか前に飛ばそうと思いました」と続く2球目直球を右翼へ高々と打ち上げた。

 フルスイングで売り出し中の“おにぎり君”は今月だけで4度目となるお立ち台で「先日はチャンスで打てなかったですが、今日の最後は強い気持ちで打席に入ることができました」と胸を張った。

 どうしても打ちたい理由があった。3回、西武・金子の平凡なニゴロを内野安打にしてしまったからだ。その走者が生還して先制点を奪われた。「守備で足を引っ張ったので、何とか取り返したい、有原さんに勝ちつけたいと思ってしました」。4回と6回の好機には凡退したが、最後の最後に守備のミスを挽回する大仕事をやってのけた。

 前日29日の楽天戦でチームはNPB記録に並ぶ19残塁を記録して完封負け。3度の満塁機で凡退した横尾はこの日の試合前、栗山英樹監督に「すみません」と謝ったという。

 指揮官は「謝る必要は全くない。マークされ出した時にどういう攻め方になるのか、自分がどういう球を打ちに行くのか。『何となく打ちに行ったらそれは次につながらないんだよ』という話はしておきました」とその内容を明かした。

 その言葉は、横尾の気持ちを前向きにしたようだ。「そんなに内容は悪くないとか、自信になるようなこと言ってくれました。監督と話をして気持ちが整理でき、ひきずることなく、新たな気持で今日をスタートできました。最後の打席も(打撃コーチの金子)誠さんに狙い球を聞いて、意識と準備はできていました」。導いてくれた首脳陣に感謝した。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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