米で起きたサヨナラ弾の皮肉、最終戦勝利も来季ドラフト1位指名権を失う

ジャイアンツ・サンドバル【写真:Getty Images】
ジャイアンツ・サンドバル【写真:Getty Images】

米ジャイアンツのサンドバルが“涙目”決勝弾を放つも…

 1日(日本時間2日)に今季レギュラーシーズンが終了したメジャーで、何とも皮肉なサヨナラ本塁打が生まれた。同日の最終戦で本拠地にパドレスを迎えたジャイアンツは、9回1死にサンドバルがサヨナラ弾を放って勝利。だが、この1勝の影響で、チームは来季のドラフト1位指名権を失ってしまった。米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトが伝えている。

 レッドソックスの一員として今季開幕を迎えた三塁手サンドバルだが、打率.212と成績不振のために戦力外に。救いの手を指し延べてくれた古巣ジャイアンツとマイナー契約を結び、再起に掛けた。すぐにメジャー昇格を果たしたものの、思うような成績を残せず。失意のシーズンを送っていた。

 が、最終戦で見せ場がやってきた。この日「6番・三塁」で先発したサンドバルは、第3打席まで無安打。このままシーズンを終えるかと思ったが、4-4の同点で迎えた9回1死走者なしの第4打席で、右中間スタンドに値千金のサヨナラホームランを突き刺した。

 ジャイアンツが世界一になった2012年のワールドシリーズにはMVPに輝く活躍を見せたサンドバルは、最終戦でチームに勝利をもたらす劇的なアーチに「ダイヤモンドを回っている時に、泣きたくなった」と振り返ったという。不本意なシーズンを払拭するような一発だったが、実はチームには皮肉な結果をもたらした。

 記事によると、この勝利で64勝98敗としたジャイアンツは、タイガースと並んで今季30球団ワーストの成績となった。メジャーでは、ドラフト指名権は前年度成績のワーストチームが1巡指名権を手に入れる完全ウェーバー制を採用。2チームが同率で並んだ場合には、前々年の成績が悪かった方が1位指名権を手に入れることになっている。今季同率最下位のジャイアンツとタイガースは、2016年成績でタイガースが下回るため、タイガースに来季ドラフト1位指名権が渡されることになった。

 もしサヨナラ弾が出ずに、ジャイアンツが負けていれば、ドラフト1位指名権はジャイアンツに与えられるはずだった。窮地を救ってくれたチームのために、不振のシーズンを少しでも気分良く終えるために、最高のホームランを打ったはずのサンドバルだったが…。なんとも切なく皮肉な幕切れとなってしまった。

(Full-Count編集部)

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