いよいよCS開幕 藪恵壹氏が占う「阪神にとってDeNAは一番嫌な相手」
阪神のカギは「打線の奮起」と「3番手以下の先発投手」
だからこそ、阪神にとってファーストステージ勝ち抜けのポイントになるのは、打線の奮起だという。
「打たないと勝てない。今年の阪神は、なかなか打順を固定できずに戦ってきました。それで2位なんてよく頑張ってるっていう人もいれば、固定できないから2位なんだっていう人もいる。現場にいる監督やコーチに言わせれば、固定したいけど怪我や成績不振で変えざるを得ないっていうジレンマがあると思うんですよ。
僕は、打線のカギを握るのは糸井だと思っています。最近メジャーでは、2番に強打者を置く傾向にあるけど、糸井も2番の方がいいと思うんですよ。4番が左打者の福留だから、2番に同じ左の糸井を置いて、3番に右打者の大山か中谷。例えば、1番俊介、2番糸井、3番大山、4番福留、5番中谷、6番鳥谷、7番大和、8番捕手、9番投手で右左の流れが作れる。この並びは点が入りそうで、相手投手は嫌だと思いますね」
一方、DeNAのラミレス監督は、甲子園では“2段構え”の打線を組む巧さがあるという。
「ラミレス監督は、たまに打線を入れ替えて、2番に梶谷を起用することがある。でも、それは大体狭い球場の時ですね。甲子園では梶谷を6番か7番に入れてくる。狭い球場の場合、筒香、ロペス、宮崎はホームランで走者を一掃する可能性があるけど、広い甲子園では走者が残るから、それを6番梶谷が返す。特に、9月最後の連戦では、この打順がハマりました」
甲子園でDeNA打線に打ち込まれている印象のある阪神投手陣だが、それでも本拠地でのDeNA戦は防御率3.00と決して悪くない。今季のチーム防御率3.29、救援防御率2.64はセ・リーグでトップ。やはり、藪氏が指摘する通り、打線の奮起が勝敗のカギを握ることになりそうだ。
それでは、阪神投手陣のカギは何か。それは「3番手以降の先発投手」だという。
「先発ローテは秋山、メッセンジャーの順でしょう。問題は3番手以降をどうするか。ファーストステージを勝ち抜けたとしても、日程的に1、2戦を投げた投手は、ファイナルステージの1、2戦では投げられない。そこに誰を入れてくるかでしょうね。候補としては小野、岩貞…ショック療法じゃないけど、藤浪を入れるのもあり。3番手以下が未知数っていう不安はありますね」
いろいろな条件やデータを総合すると、DeNAがやや有利に思えるが、阪神は何よりも本拠地開催でファンの声援を一身に受けられるアドバンテージを持っている。阪神が地の利を生かすのか、DeNAが相性のよさを生かすのか。決戦は14日に幕を開ける。
(佐藤直子 / Naoko Sato)