エース対決で明暗、西武圧勝 パCS初戦勝利球団のファイナル進出確率は100% 

菊池が楽天打線シャットアウト、打線は12安打で10得点 

 これ以上ない大勝劇だった。埼玉西武が14日、「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ(CS)パ」のファーストステージ初戦で楽天を10-0で下してファイナルステージ進出へ王手をかけた。防御率、勝利数2冠の西武・菊池投手と、奪三振リーグトップ、防御率2位の楽天・則本投手とのエース対決。だがその結果は対照的なものとなった。 

 最後の打者、島内を三直で仕留め、マウンドで、静かに喜びを表現した菊池。この日はCS初登板で初勝利、初完封となった。5安打を許したが相手打線に得点を与えず、「プレッシャーはなくて、ワクワクしていました」。大量得点にも助けられ、のびのび121球、9奪三振。「満員のメットライフドームで完封できて、最高です」。楽天戦は昨シーズンから11連勝中。抜群の相性の良さはポストシーズンでも健在だった。 

 投手戦というストーリーをいい意味で崩したのが埼玉西武打線だ。初回1死、源田が死球で出塁すると、キャプテン・浅村が左翼へ2ラン。「まさかホームランとは思っていなかった。ビックリ」と自身も驚く先制弾で勢いをつけると、3回の5得点が大きかった。1死満塁の好機で、中村の犠飛、炭谷の左中間への2点適時二塁打、さらに秋山、源田にも適時打が飛び出して、序盤で菊池に7得点をプレゼントした。さらに6回には中村にもホームラン。2死一、二塁から左中間に3ランを突き刺した。これで和田一浩、タイロン・ウッズの持つ、ポストシーズン本塁打記録の8本に並んだ。結局楽天投手陣から12安打、10得点をもぎ取った。 

 楽天は則本が4回6四死球7失点。3回終了時点で菊池よりも50球多く要するなど、明らかに制球力を欠いた。シーズン222奪三振というミスターKもこの日は1奪三振。だが右腕だけでなく、チーム全体として沈黙してしまった形だ。2点を追う2回無死一塁、島内が犠打を試みるも相手捕手・炭谷の好判断で二塁へ送球され、これが併殺打。4回2死満塁でも岡島が一ゴロに終わるなど、攻撃陣も機能しなかった。 

 パ・リーグでは2007年以降のCSで初戦突破チームのファイナル進出確率は100%。菊池が投げ抜いたことでブルペン陣の負担も減り、これで楽天戦は10試合全勝となった炎獅子ユニホームで、本拠地・メットライフで15日の第2戦を戦う。 

「明日で決めると思うので、よろしくお願いします」と、浅村はお立ち台で力強く締めくくり、球場を熱くさせた。相手は昨季まで在籍した岸というのも何かの縁か。ここをモノにすれば、獅子軍団にさらなる勢いがつきそうだ。 

【動画】楽天相手に西武圧勝…菊池・浅村のヒーローインタビュー

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