“外れ外れ1位左腕”が躍進、高卒右腕は連敗ストッパーに…各球団ドラ1の成績は?
注目浴びた各球団ドラ1の今季成績、DeNA濱口は10勝到達
きたる10月26日、2017年のNPBドラフト会議が行われる。プロ入りを希望する高校生、大学生に提出が義務付けられている「プロ志望届」の提出が12日に締め切られ、210人(高校生106人、大学生104人)がプロ志望届を提出した。昨年の今頃、注目を集めていた選手は一体誰だったのか、そして、その選手の今季の成績、活躍はどうだったのだろうか。各球団のドラフト1位選手の今季を振り返ってみたい。
【セ・リーグ】
◯広島・加藤拓也(慶應大)
7試合1勝3敗、防御率4.30
5球団競合の創価大・田中正義を外し、慶應大の即戦力右腕を指名。1年春から東京六大学リーグで登板し、1年の秋には150キロの大台に乗せた。最速153キロの真っ直ぐを武器に、東京六大学通算24勝の成績を引っさげてプロの世界へと飛び込んだ。プロ初登板は衝撃的なものだった。4月7日のヤクルト戦(マツダ)。ジョンソンの離脱で急遽巡ってきた先発マウンドで、なんと9回1死まで無安打無失点。プロ初登板でノーヒットノーランという快挙は目前で逃したものの、プロ初勝利を挙げた。だが、その後はプロの壁にぶち当たる。先発ローテに加わりながらも、3連敗。制球難で四球を連発し、5月6日に登録を抹消。6月16日に再昇格したものの、同24日に再び登録抹消され、その後はファーム暮らしが続いた。能力は非凡なものがあるだけに、課題を克服できれば、来季以降のローテ入りに期待が持てる。
◯阪神・大山悠輔(白鴎大)
75試合 打率.237 7本塁打 38打点
即戦力投手の1位指名が予想されていた中で、金本監督の希望により、単独で1位指名するサプライズ。つくば秀英高校から白鴎大へと進み、関甲新学生リーグには1年春から出場。4年春にはリーグ新記録の8本塁打を放ち、大学日本代表の4番も務めた。関本賢太郎の背番号「3」を継承した1年目、開幕1軍こそ逃したが、6月18日に初昇格すると、6月23日の広島戦(マツダ)で代打でプロ初出場。7月1日のヤクルト戦(甲子園)で3ランを放ち、プロ初安打初本塁打とした。シーズン終盤には12試合で4番も務めた。クライマックスシリーズでの活躍も期待されている。
◯DeNA・濱口遥大(神奈川大)
22試合10勝6敗 防御率3.57
明大・柳裕也、桜美林大・佐々木千隼を抽選で外して指名した即戦力の大学生左腕が大当たりだった。佐賀県の三養基高校から神奈川大へ進み、1年春からリーグ戦に登板。リーグ通算51試合で20勝を挙げ、大学日本代表にも選出された。4月2日のヤクルト戦(神宮)で初登板初先発し、4月9日の中日戦(ナゴヤD)で7回途中1失点と好投してプロ初勝利をマーク。監督推薦で選出されていたオールスター前に左肩の違和感を訴えて登録を抹消され、球宴も辞退したが、復帰した8月13日の阪神戦(横浜)で勝利投手に。ルーキーでただ1人、2桁勝利となる10勝をマークし、新人王の有力候補にもなっている。
◯巨人・吉川尚輝(中京学院大)
5試合 打率.273 0本塁打 0打点
5球団競合となった創価大・田中正義を抽選で外し、即戦力内野手の指名となった巨人。手薄な二塁手を埋める存在として期待されたが、新人合同自主トレでいきなりコンディション不良を訴えて出遅れ、キャンプも3軍スタートだった。5月9日に初昇格を果たし5月14日の広島戦(マツダ)でプロ初出場。同17日のヤクルト戦(東京D)で初先発するも、4打数ノーヒット2三振に終わると、5月19日に登録を抹消された。7月10日に再昇格を果たすも、1試合に出場しただけで、わずか2日で抹消。9月26日に3度目の昇格を果たすと、今季最終戦となった10月3日のヤクルト戦(神宮)でスタメン出場し、プロ初安打を含む4打数3安打と活躍した。期待はずれとなった1年目だけに、来季以降の巻き返しを期待したい。