“外れ外れ1位左腕”が躍進、高卒右腕は連敗ストッパーに…各球団ドラ1の成績は?
5球団競合でソフトバンク入りも1軍登板なしに終わった田中正義
◯中日・柳裕也(明治大)
11試合 1勝4敗 防御率4.47
DeNAと2球団競合となり、抽選の末に交渉権を獲得した。横浜高校から明治大に進み、1年春から東京六大学リーグで登板。リーグ戦通算23勝、338奪三振、防御率1.84、3季連続ベストナインと輝かしい成績を残し、4年秋の明治神宮大会では全国制覇も成し遂げた。開幕1軍は逃したが、5月21日に初昇格を果たし、5月23日のDeNA戦(横浜)でリリーフでプロ初登板。プロ初先発となった6月3日の楽天戦(ナゴヤD)は6回4失点で負け投手となったが、3度目の先発となった同18日の西武戦(ナゴヤD)で7回3失点と好投し、プロ初勝利を掴んだ。だが、そこからは白星に恵まれず、7月22日の広島戦(マツダ)で4敗目を喫して登録を抹消。広背筋の肉離れもあり、その後の1軍登板はなかった。
◯ヤクルト・寺島成輝(履正社高)
1試合 0勝0敗 防御率15.00
人気を集めた田中正義、佐々木千隼といった即戦力投手ではなく、将来性を見込んで高校生ナンバーワン左腕を指名した。春のキャンプは1軍でスタートするも、左内転筋の筋膜炎で離脱。その後は故障の回復と体作りを行い、ようやく4月29日に2軍戦で初登板を果たした。その後、再び実戦から離れ、8月19日の2軍戦で2度目の公式戦登板となった。イースタンリーグでは6試合に投げて0勝1敗、防御率2.37の成績だった。9月30日の中日戦(神宮)でプロ初昇格し、初登板初先発となったが、3回5安打3四死球で5失点でKOされてホロ苦いデビュー戦に。将来性を期待されての1位指名だけに、来季以降の台頭に期待したいところだ。
【パ・リーグ】
◯ソフトバンク・田中正義(創価大)
今季1軍登板なし
昨年のドラフトで最大の注目株だったアマチュアナンバー1投手。最多の5球団競合となった末に、ソフトバンクの工藤公康監督が抽選で当たりクジを引き当てて交渉権を獲得した。創価高から創価大へと進み、最速156キロを誇る即戦力として期待されたが、1年目は故障に泣かされ続けた。主力組中心のA組でスタートした春のキャンプで右肩の違和感を訴えて、リハビリ組に。6月の3軍戦で実戦復帰を果たしたが、その後、またも右肩の違和感でリハビリ組に逆戻り。9月23日のウエスタンリーグ阪神戦(タマスタ筑後)で、ようやく2軍戦に初登板し、3回を投げて2安打2失点だった。そのポテンシャルは高いものがあるだけに、来季以降に期待したい。
◯西武・今井達也(作新学院高)
今季1軍登板なし
高校ビッグ4の1人で西武が単独指名。高校3年の夏の甲子園2回戦で自己最速の151キロをマークすると、3回戦でさらに最速を1キロ更新。そのまま作新学院を優勝に導き、一気に評価を高めた。FAで楽天へと移籍した岸の背番号「11」を継承した右腕だが、1軍スタートとなった春のキャンプで右肩の張りを訴えると、5月にも右肩違和感を訴えて離脱。さらに8月にも右肩の炎症が出て、再び治療の日々を送ることになった。1軍登板はなし。イースタンリーグでは7試合に投げ、1勝0敗。防御率2.35とまずまずの成績を残していただけに、まずは度重なる故障を発症した右肩を万全の状態に戻したいところだろう。