先勝の広島・緒方監督、先制打の田中に「キーマン」の予感

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】
広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

5回降雨コールドでDeNAに先勝、アドバンテージ含め2勝に

 広島は18日、マツダスタジアムで行われたセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦のDeNA戦に3-0で勝利し、アドバンテージを含めた対戦成績を2勝0敗とした。開始前から雨の降り続く天候の中での試合となったが、広島が3点を先制した5回終了直後に中断となり、そのまま5回降雨コールドゲームとなった。

 30分以上の中断の後、コールドゲームが宣告された瞬間、広島ベンチからは歓喜の声が聞かれた。緒方監督は「相手も打ち勝って勢いに乗っているところで初戦を取れたのは大きい」と、ひとまず安堵した様子だった。

 試合は広島・薮田、DeNA・石田の両先発による投手戦となった。緒方監督が「プレーボールがかかった頃は、それほど支障はなかった」と振り返ったように、守備での失策もなく、両先発ともに快調なスタートだった。 

「ボール先行というわけではなかったし、いいイメージでいけた。結果としていいものが出た」という薮田は、3回に1死から石田、倉本の下位打線の連打でピンチを迎えたが、1番の桑原を併殺打に打ち取り、4、5回は3者凡退と完璧な投球を見せた。「今年の勝ち頭だし、苦しいところで支えてくれた」と初戦の先発にプロ3年目の薮田を起用した緒方監督は「オープニングゲームというプレッシャーがかかるところで、しっかりと自分の投球をしてくれた。ナイスピッチングです」と、ポストシーズン初先発の右腕を褒めた。

 攻撃陣は初回に四球からの2死三塁のチャンスを逃すと、4回までノーヒットに終わった。しかし、試合成立のイニングとなる5回にバティスタの四球と新井の安打に送りバントで1死二、三塁のチャンスを作ると、薮田三振で2死後に田中がセンター前に2点タイムリーを放って値千金の先制点を挙げた。緒方監督は「短期決戦で去年同様にキーマンになりそう。明日からも打線を引っ張っていってほしい」と、昨季のCSでも12打数10安打と驚異的な活躍を見せた田中に期待を寄せた。

 先発が試合を作り、攻撃陣に効果的なタイムリーが出た理想的な展開に、指揮官は「しっかり攻撃の形を作れたし、追加点も取れたし、ウチらしい野球ができた」と、2年連続の日本シリーズ進出へ手応えを感じている様子だった。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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