パCSファイナル第1戦の勝敗を分けた、楽天とソフトBの「駆け引き」

楽天・梨田監督(左)、ソフトバンク・工藤監督(右)【写真:荒川祐史】
楽天・梨田監督(左)、ソフトバンク・工藤監督(右)【写真:荒川祐史】

楽天が接戦を制して初戦勝利、指揮官も悩んだ先発・塩見の「替え時」

 18日に始まったクライマックスシリーズ・ファイナルステージ。パ・リーグはリーグ優勝のソフトバンクと、西武を破って3位からファイナル進出を決めた楽天の戦いとなった。その初戦。大きな意味を持つ初戦を取ったのは楽天だった。

 最終的なスコアで言えば、3-2。茂木の先頭打者本塁打に始まり、アマダー、ウィーラーもソロ本塁打を放ち、ソロ3発で3得点。奪ったリードを先発の塩見が6回4安打1失点の好投で守り、ハーマン、高梨、福山、松井裕の継投で逃げ切った。

 この初戦。両チームの勝敗を分けるポイント、駆け引きがあった。

 その1つが、6回。3-0で楽天がリードを奪っていた。塩見は6回2死まで3安打とほぼ完璧な投球を見せていたのだが、ここでソフトバンクの2番今宮に右翼席へと飛び込む本塁打を許した。ソロアーチで点差は2点差に。ソフトバンクが反撃の狼煙を上げた。

 だが、この一発が、楽天にある決断をさせるキッカケとなった。梨田監督は試合後にこう語った。「あの1点で踏ん切りがついた」。この日、指揮官にとって難しかったのは、好投を続けている塩見の交代のタイミング。初回からソフトバンク打線を翻弄しており、この時点でまだ82球と、ほぼ完璧と言える内容だった。

 だからこそ、無失点を続けていれば、塩見を引っ張るか、継投に出るか、は悩ましいところだったはずだ。指揮官も「替え時は難しかった」という。だが、今宮にソロを浴びたことで、この回限りで塩見を降板させ、7回からは自慢のリリーフ陣への継投に打って出ることに迷いはなくなった。走者を貯めてピンチを招いたわけではなく、ソロ本塁打だったことも大きかった。

8回も高梨をマウンドへ送ったのは「向こうとの駆け引き」

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