激戦を制して2勝2敗の五分 ソフトB工藤監督「バカになって野球をやろう」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

7番に下げた中村が決勝弾「彼にはポイントゲッターだよ、と話した」

 20日、ソフトバンクはクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦でようやく勝利。和田毅と則本昂大の両先発がともに5失点という予想外の試合は、中村晃の決勝2ランによって7-5で決着した。

 負ければ相手に王手をかけられるという大事な試合。同点の8回裏に中村の2ランが飛び出すと、指揮官は大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。

「みんなの前で『バカになって野球をやろう』と言ったので、ボク自身がそれをやらなきゃいけないという思いがありました。自然に声が出ましたし、みんなも声を出してくれたので、本当に今日の試合だけに集中してみんながやってくれたおかげだと思います」

 また、2試合でソロ本塁打による3得点に終わっていた打線を大きく組み換え、1番に今宮健太、2番に城所龍磨、3番にデスパイネを起用した。先制を許した直後、その3人がいきなり1点を奪い返すなど、オーダー変更が見事にはまった。

「短期(決戦)は試合としては難しいので、悩んでいる人は休ませて頭の切り替えをさせることも大事。でも、レギュラーとしてやってきてくれた選手は信用して出してあげないといけないというのもあります。そこの葛藤はありましたが、城所くんを思い切って使ってみました。初回からデスパイネに回るのも神経を使うだろうと思いましたし、7番に中村くんがいるのも相手は気が抜けないだろう、と。彼(中村)には『今日のポイントゲッターだよ』と話をしていましたが、本当によく打ってくれました」

 これでアドバンテージを含めて2勝2敗の五分。「1つ勝ってホッとしたところもあるでしょうし、こういうゲームをすれば勝てると感じてくれたところもあるでしょう」と、工藤監督はこの日の白星が流れを変えてくれることを願った。

「苦しかったけど、自分の仕事をやってくれたことが勝ちにつながったと思います。とにかく勝つことだけを考えて、1つのボールをみんなで追いかけて、一生懸命戦いたい。みんなで1つの勝ちをもぎ取っていくだけです」

 第4戦で日本シリーズに王手をかけるのは果たしてどちらか。前日までの重たい空気は、もはやソフトバンクにはない。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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