試合開始時39度、決勝2点弾ターナーが異常気象に感謝「あと5度低かったら…」

勝ち越し本塁打を放ったドジャース・ターナー【写真:Getty Images】
勝ち越し本塁打を放ったドジャース・ターナー【写真:Getty Images】

第1打席は34.5インチ、第2打席から33.5インチのバットに変更

 ドジャースが24日(日本時間25日)、本拠地で行われたアストロズとのワールドシリーズ第1戦に3-1で勝利した。同点で迎えた6回に決勝弾となる2ランを左中間スタンドに叩き込んだジャスティン・ターナー内野手は「気温が5度低かったら、普通のレフトフライだったかもしれない」と、WS史上最高気温を記録した異常気象に感謝した。

 異常気象の影響で、この日の試合開始時の気温は華氏103度(摂氏39.4度)を記録。今年で113回目を迎えたワールドシリーズ史上最も暖かい試合となった。10月に迎える酷暑の中のプレーは、さぞかし大変なものかと心配されたが、どうやらターナーには追い風となったようだ。

 1-1の同点で迎えた6回2死一塁。ターナーが打ち上げた打球は左中間席に入る勝ち越し2点弾となった。打った瞬間は「ホームランになるかどうか分からなかった」という当たりだが、気温と球場の相乗効果が味方した。

「バックスピンがよく掛かっていたし、打球を十分上げることはできた。しかも気温が36度くらいあるのは知っていたからね。この球場であの暑さだったら、ボールがよく飛ぶ。もし気温があと5度低かったら、多分普通のレフトフライに終わっていたと思うよ」

 今季プレーオフ通算4本目のホームランは球団史上2位タイの成績。1978年にデービー・ロペスが記録した最多5本塁打に王手を掛けた。この日チームに勝利をもたらした2打点で、今季PSの通算打点はダスティー・ベイカーの13打点(1977年)を抜いて球団記録を更新する「14」に。名門の歴史を紡いできた数々の偉人を超える活躍に「クレイジー」と信じられない様子で驚いた。

 もう1つ、ターナーの味方をしたものがある。第2打席から変えた長さ33.5インチのバットだ。第1打席は少し長めの34.5インチのバットを使ったが空振り三振に終わった。感触の悪さから、第2打席では「いつも使っている少し短めの33.5インチのバットに変えたんだ」という。第2打席こそ一塁のファウルフライに倒れたが、第3打席では値千金の決勝弾。「いやぁ、変えてよかったよ」と言うと、赤毛のヒゲを蓄えた顔に満面の笑みを浮かべた。

 2013年まで在籍したメッツでは、万年ベンチの控え選手だった。「毎日メジャーでプレーしたい」という思いで、当時同僚だったマーロン・バードの助言に従い、打撃改造に着手。ドジャースでは、いまや欠かせない主砲に成長した。

「ポストシーズンの方が断然楽しいね。今日、サンディ(コーファックス)に言われたんだ。(ペナントレースの)162試合は仕事で、プレーオフは楽しみだって」

 ドジャースが誇るサイ・ヤング賞3度の伝説左腕から受けた言葉を胸に、大舞台を楽しみながら、あと3勝を目指す。

(Full-Count編集部)

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