「自分の人生が変わる」―東北大からプロ希望、工学部生が待つ運命のドラフト

東日本大震災の影響でインフラに興味、東北大工学部に進学

――そういう選手たちと切磋琢磨できた。

「こういうレベルで野球がやれると思っていなかった。個人賞とかも獲らせていただけるとは思っていなかったので、自信につながっていると思います」

――話は変わりますが、工学部建築・社会環境工学科で学んでいますね。

「建築系と土木系に分かれており、私は土木系です。さらにコースがあり、橋の設計をしたりするコースや地下鉄など都市計画をしたりするコースがあるのですが、私は水環境デザインコースで学んでいます。環境問題などを取り扱っており、私は下水処理の研究をしています。浄化センターで水をもらってきて水質を調べたり、その水、人の汚泥、糞便ですね、それをもらってきて発電をしたりしています。バイオガス発電、というものです。結構、汚い研究なんですけど」

――人類には必要ですよね。

「はい。途上国とかで必要になってきます」

――どうしてその道を?

「高校生の頃から土木系には行きたかったです。高校1年から2年になる時に東日本大震災があり、インフラに興味を持ちました。電気やガスなどはかけがえのないものなので、やりがいのある仕事だなと思ったんです。日常の有り難みを感じ、その日常を支える仕事をしたいなと。地味かもしれませんが、一番、大事だと感じたので、そういう仕事をしたいなと思いました」

――卒論は?

「『浮き草による排水処理』がテーマです。水に浮いている草があると思いますが、あれで水をきれいにしようという研究です。成長する時に水の養分などを使うので、その作用を使うと水がきれいになる。植物の力で水をきれいにするので、途上国とかでも応用することができるかなと」

――話は戻り、プロで、自分のこれだったら勝負できるというところは?

「個人的にはポジショニングも含めて守備だと思っています。そこは自信があります。守備範囲は広いと思っていますし、触ったら落とさないという自信はあります。それが一番のアピールポイントではないかと。小、中、高校と守備範囲は広いと周りから言われ、守備は好きでした。外野の守備が嫌いという人がいますが、私は好きで、ヒット性の当たりは全部、捕ってやろうと思っています。捕れないと悔しい。あとはポジショニング。私も入っている解析班で出したデータを基に自分でも考えて、その通りに打球が来ると嬉しいですね」

――打撃で自信があるところは?

「当てる技術はあるのではないかと思います。バットコントロールですね。ストレートに振り負けないスイングはできると思います。浪人時代や大学に入ってから受けた指導のおかげです。あとは気持ちの問題。高校時代はビクビクして打席に入っていましたが、大学では堂々と打席に立てたと思います」

――いよいよ、ドラフトです。

「どうしようか、という感じです。指名されたら、されなかったら、どうしようかと。本当に、大きく自分の人生が変わると思うので、そういう局面が来るなという感じはしています」

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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