今季DeNAルーキーも圧巻投球 サウスポーの過去20年日本シリーズ快投録
今年の日本SではDeNAルーキー浜口らが快投
日本シリーズ第4戦でDeNAの浜口遥大投手が見せた8回1死までのノーヒットピッチングは、今シリーズのベストパフォーマンスとして記憶されることになるのではないだろうか。この試合で投げ合った福岡ソフトバンクの和田毅投手も、5回に2点を失うまで許したのは散発2安打のみとベテランの意地。DeNAの今永昇太投手は2試合連続2桁奪三振と力強い投球を見せた。そこで、ここに過去20年間の日本シリーズで披露された、サウスポーたちの珠玉の快投を集めた。
選手名の前の☆はシリーズの最高殊勲選手賞、◇は優秀選手賞で、〇は勝利投手。
【1997年】
◇石井一久(ヤクルト)第1戦対西武(西武ライオンズ球場)1-0完封○9回116球3安打3四球12奪三振無失点
1995年の日本シリーズを制した後に石井一は左肩を手術し、8試合の登板にとどまった翌年オフにも再び同じ箇所にメスを入れた。迎えた1997年も前半戦はリハビリに費やして初登板は6月4日まで遅れたが、9月2日の横浜戦でノーヒットノーランを達成するなど防御率1.91の大活躍。同年の日本シリーズ初戦の先発マウンドに上がると、招いたピンチも代名詞の奪三振で刈り取り続けた。打者3巡目以降はパーフェクト、終わってみればシリーズ記録の1試合12奪三振の記録を樹立して、終盤8回に得た虎の子の1点を守り切っている。
【1999年】
◇工藤公康(福岡ダイエー)第1戦対中日(福岡ドーム)3-0完封○9回116球6安打1四球13奪三振無失点
福岡ダイエーの工藤と中日の野口茂樹。パ・セ両リーグMVP左腕2人の投げ合いで幕を開けたシリーズは、野口が3回まで走者を出さず、中日のペースでイニングが進む。ところが6回、ともに常勝西武在籍時にチームの黄金期を支え、短期決戦の戦いを知り尽くした秋山幸二が先制のソロアーチを放って均衡を破る。工藤は走者を出しながらもシリーズ新記録となる13奪三振を記録して完封勝利。中日のキーマンに挙げられていた関川浩一とゴメスを4打数無安打に封じ込め、球団35年ぶりの日本一へ道筋をつけた。