練習メニューに「補食」? 日本一ホークス、さらなる進化へ“キャンプ改革”

午後メニューの合間に「補食」、若い選手への「意識づけ」

「これまでの野球界は当たり前のように、アップして、キャッチボールして、だったけれど、その昔からあるものを変えていってみようというのが、工藤監督の考えでもあるので」と倉野コーチ。工藤公康監督の考えも反映させてのものだという。

 野手側のメニューにも、オヤッ?と思う2文字があった。それが、午後のメニューの合間に記されていた「補食」の文字。そのための時間まで、きっちりと確保してあった。

 補食とは、練習中などにも、おにぎりやバナナ、ゼリー飲料など、炭水化物やタンパク質といった運動のエネルギーや身体を作るための栄養を摂取すること。体内のエネルギー源が不足しないように補給することにより、パフォーマンスや集中力の向上、身体作りにも効果がある。

 普段から補食をできる環境は整えられていたが、これを、あえてメニューに組み込んでいるのは、なぜか。水上善雄2軍監督は「意識付けですね。今の若い子たちは『こうだから、やりなさい』といっても、今日はいいか、となってしまう。やらせてみて、効果があるんだと感じさせれば、自発的にやるようになってくれるかなと。1軍の選手たちなら、当然知っていることなんだけど」という。

 食事面1つとっても、その質を高めれば、トレーニングの効果は上がっていく。きっちりと食事面の知識を備えれば、激しいトレーニングを積んで、身体が逆に痩せ細っていくということも防げる。このキャンプ中に、メニューに組み込んで実感させることによって意識付けさせようというわけだ。

 94勝という圧倒的な強さでパ・リーグを制し、2年ぶりに日本一も奪還したソフトバンク。ただ、その現状に、胡座をかくことはない。少しでもいいものを、より良くなるために変化を。そういったフレキシブルさも、強さを支える一要素なのかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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