大谷翔平がメジャー挑戦正式表明「来年以降アメリカで頑張りたい」

日本ハム・大谷翔平【写真:細野能功】
日本ハム・大谷翔平【写真:細野能功】

二刀流継続については「そういう話は聞いてみたい」

 日本ハムの大谷翔平投手が11日、日本記者クラブで会見に臨み、今オフのメジャー挑戦を正式表明した。前日10日には日本ハムの竹田憲宗代表取締役社長、栗山英樹監督が会見を行い、ポスティングシステム(入札制度)を利用したメジャー移籍承認を発表。二刀流右腕が公の場で改めて自身の思いを明かしたことで、メジャーリーガー大谷誕生へ大きく前進した。

 グレーのスーツとブルーのネクタイを身にまとった大谷は、会見で「昨日球団にポスティングよるメジャー移籍をしたいと気持ちを伝えまして、球団から容認という温かい言葉をいただいたので、来年以降アメリカで頑張りたい」と笑顔で宣言。「2つやってきたことが自分にとって、球団にとって、日本球界にとってプラスになるのかと考えたこともあった」と“二刀流”を続けた心境を吐露。「球団、日本球界に恩返しできたか分からないが、これからもそういう気持ちをもっていきたい」「ファイターズに入ってよかったと一生思うんだろうと思う」と感謝の気持ちを忘れなかった。気になるメジャーでの二刀流継続については「そういう話を聞いてみたい」と意欲を見せた。

 米挑戦の思いは子供の頃からの夢だった。花巻東高時代には一度は高卒でのメジャー挑戦を表明したが、2012年ドラフト会議で1位指名された日本ハムに二刀流起用などを提案され、入団を決意。プロ入り後は、2015年に15勝、勝率.750、防御率2.24で投手3冠を達成した他、2016年には日本最速記録を更新する165キロを記録した。さらに、投手として10勝4敗、防御率1.86、打者として打率.322、22本塁打、67打点と投打で圧巻の成績を残して日本一に貢献し、MVPも獲得。その活躍ぶりは、日本だけに留まらず海を越えたアメリカにまで伝わった。

 今季は度重なる怪我の影響で、投手としては5試合に登板し3勝2敗、防御率3.20、打者としては65試合に出場し、打率.332、8本塁打、31打点の成績だった。10月に右足関節有痛性三角骨(足関節後方インピンジメント)除去術を受け、現在は来季開幕を100パーセントの状態で迎えられるようリハビリに励んでいる。大谷は先日、米国代理人としてCAAのネズ・バレロ氏を選定。日本ハムもメジャー移籍を承認する決定を下し、着実にメジャー移籍への道が切り拓かれてきた。

 現在、日米間のポスティングシステムは失効中だが、現行の制度を1年間継続することで大筋合意したと、一部米メディアが報じている。当初は、メジャー球団が選手の契約総額の15%を旧所属球団に支払う案が浮上していたが、これは来年以降に導入される見通し。これまでと同様、旧所属球団が決められる譲渡金を上限2000万ドル(約22億7000万円)に設定し、支払う意思のある全てのメジャー球団と交渉が可能になる見込みとなっている。米報道によれば、制度の施行にはMLB選手会の承認が必要だが、代理人のバレロ氏が折衝に乗り出すようだ。

 記者会見では晴れやかな笑顔を浮かべた大谷。新たな目標に向かって飛び立つ時が、いよいよやってきた。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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