メジャー球場に見るスタジアムの寿命、変わりゆくスタジアムの持つ意義
意外に新しいメジャー球場の数々
1950年(現・Koboパーク宮城)、1979年(現・メットライフドーム、ドーム化は1999年)、1990年(現・ZOZOマリンスタジアム)、1993年(現・ヤフオクドーム)、1997年(現・京セラドーム)、2001年(現・札幌ドーム)。
これらは、現在パ・リーグの各球団が本拠地とするスタジアムの開場年だ。それぞれが改修工事や命名権の変動などで進化を遂げてきてはいるが、実際に建設されてからはそれなりの年数が経過している。
メジャーリーグでは、1912年に開場したフェンウェイ・パーク(ボストン・レッドソックス本拠地)、そして1914年のリグレー・フィールド(シカゴ・カブス本拠地)と100年以上の歴史を誇るボールパークが度々話題となる。だが、その後に続く3番目に長い歴史を持つボールパークは、1962年に完成のドジャースタジアム(ロサンゼルス・ドジャース本拠地)だ。実際、米国の野球媒体「ベースボール・ダイジェスト」によると、1989年以降では新たに24球場が生まれているという。
MLBでは、ここ10年で6つの新球場が建設されており、さらに各球団がスプリングトレーニングを行う施設も次々と新しくなってきている。そのためキャンプ地をフロリダ州からアリゾナ州へ移転する球団も存在している。フロリダとアリゾナの距離が約3400キロということを考えても、そのプロジェクトの大きさが伺える。
昨シーズンはアトランタ・ブレーブスが新たにサントラスト・パークを本拠地とした。驚くべきは、その前までホームとして使用していたターナー・フィールドが、オープンしてまだ19年しか経過していなかったことだ。ちなみに、ここは1996年アトランタ夏季オリンピック・パラリンピックの会場として使用されていた場所だった。
だが、夏季オリンピック・パラリンピックを目的に建設されたスタジアムを改修して球場にしたため、不便な面があったことは否めず、また車が主な交通手段のアトランタにおいて駐車場スペースがあまりにも少なかった。さらにはボールパーク周辺の空間を球団が所有していないため、最近の球場に可能となっている商業施設との連携などが皆無だった。よりファンへのエンターテインメントを重視したボールパークにするためには、莫大な改修費用が掛かることとなり、新球場を模索した後の本拠地移転となった。