新ポスティング制度の折衝が佳境へ、争点の1つは“受付期間”と米報じる
旧制度では3か月間ポスティング可能、MLB選手会は大幅短縮案を提示
日米間で失効中のポスティング制度は、現在新制度の発効に向けて、MLB、NPB、MLB選手会の3者による折衝が行われている。MLBとNPBが大筋合意した案を、MLB選手会が精査。米国東時間20日午後8時(日本時間21日午前10時)に締切を設定し、現在話し合いが行われている。
これまでMLB選手会が大筋合意案に異議を唱えていると伝えられてきたが、米メディア「Yahoo!スポーツ」で記者を務めるジェフ・パッサン記者が自身のツイッターを更新し、新制度成立に向けての争点の1つはポスティング受付期間であると伝えている。
パッサン記者によれば、「旧制度ではポスティング受付期間が11月1日から2月1日までだったが、MLB選手会は11月1日から11月15日までに短縮したがっている」という。これに対して「NPBは12月31日までの案を提示」すると、MLB選手会は「12月1日」案で対抗。現在NPBは「12月15日」まで歩み寄ったが、まだ2週間の差があるとしている。
MLB選手会が受付期間の短縮を望んでいるのは、フリーエージェント市場への影響を少なくするためだ。オフシーズンのFA市場は、一般にその年の目玉選手の大型契約が決まるまで大きな動きがない。NPBの選手がポスティング制度を利用してメジャー移籍する場合、そのほとんどが注目選手で大型契約を結ぶ。当該選手の契約が成立するまでFA市場に動きが見られないことが多く、ポスティング受付期間が長ければ長いほどFA市場に与える影響は大きくなる。受付期間を短縮することで、極力FA市場に与える影響を減らそうというわけだ。
MLB公式サイトのマーク・ファインサンド記者は、関係者の話として「東部時間午後8時の締切は厳格なものではない。話し合いに進展があれば、締切を超えて話し合いが続く可能性は非常に高い」とツイート。締切時間までに決着がつかない可能性を示唆した。
新ポスティング制度が成立しなければ、今オフのメジャー移籍を表明している日本ハムの大谷翔平投手の夢の実現は先送りとなってしまうが、複数の米メディアによれば、関係者は新制度成立に向けて楽観的な見解を持っているという。いずれにせよ、近日中には新制度が成立する方向で話し合いは進んでいるようだ。
(Full-Count編集部)