「憧れはダーグーシャンピン」―台湾にも大きな影響与える大谷翔平の存在感
「ダーグーシャンピン」は台湾でもおなじみ
――大谷翔平のMLB挑戦について台湾ではどんな反響ですか?
「その国民的スター、陽岱鋼が昨年まで北海道日本ハムファイターズに所属していたこともあり、台湾のスポーツ専門局では2014年から、ファイターズのホームゲームを中心にパ・リーグの試合中継を開始、チェン・グァンユウ(千葉ロッテマリーンズ)の活躍もあり、今年はパ・リーグの試合を年間260試合以上中継しました。
こうしたTVでの露出に加え、なんと言っても投打「二刀流」の活躍のインパクトは大きく、大谷翔平は、台湾の野球ファンにも広く知られています。台湾の少年野球の中には、台湾選手を差し置いて、「憧れは大谷翔平(ダーグーシャンピン:中国語読み)」と話す子もいるくらいです。
ファンだけでなく、現役選手からの注目度は高く、王柏融(lamigoモンキーズ)らも、日本メディアに対して、アジアプロ野球チャンピオンシップで対戦したい投手として大谷選手の名前を挙げていました。
台湾のスポーツメディアは、日本語や英語のニュースをすぐに翻訳して伝えています。日本メディアの台湾に関する『飛ばし記事』まで、しっかり報道されています(笑)。ですので、当然、大谷翔平の移籍先候補に関する細かい動向は報じられていました。近年では、ダルビッシュ有投手、田中将大投手の時もそうでしたが、NPBのトップクラスの選手が、MLBでどのような成績を残すのか、台湾のファンの関心、期待も大きいと思います。
大谷翔平の活躍により、『二刀流』という言葉が、台湾のファンにおなじみとなり、高校野球のテレビ実況でも、投手兼任の強打者をアナウンサーが『二刀流』と紹介するケースもあります。台湾の高校野球は指名打者制とはいえ、高校生では珍しいことではないとは思いますが、これも一種の『大谷現象』といえるかもしれません」
(広尾晃 / Koh Hiroo)