八百長疑惑、エクスパンション構想 台湾球界の今を現地記者が語る

インタビューに応じる駒田英氏【写真:広尾晃】
インタビューに応じる駒田英氏【写真:広尾晃】

八百長疑惑報道にCPBLは「不確かなソースでの報道で選手らを傷つけることがないように」呼びかけ

 台湾野球好きが高じ、2006年に台湾へ渡った駒田英氏。語学学校で中国語、大学院で翻訳や異文化コミュニケーションを学んだ後、台湾の政府系海外向けラジオ局に入社し、記者、パーソナリティーを務めた。台湾のスポーツ事情に詳しく『台湾プロ野球<CPBL>観戦ガイド 』(ストライク・ゾーン)に執筆者の一人として参加した。その駒田氏に、最近の台湾野球界をめぐる動きについて聞いた。(聞き手、広尾晃)

――台湾で八百長疑惑が起こったことが日本でも報道されていますが、実際、どうなんでしょう?

「今シーズンの終盤、中信兄弟は今春のWBC代表選手を含む多数の大物選手の1軍登録を抹消し、シーズン終了後にこれらの選手を含む7人を解雇してファンに大きな衝撃を与えました。その直後に一部のテレビ局とゴシップ誌が、一部選手の解雇原因について、グレーな交友関係があると八百長を匂わす報道をしました。しかし、疑いをかけられた選手たちは記者会見で涙ながらにこれを否定、選手会が検察に確認したところ、地裁はいかなる情報も得ておらず、調査も行っていなかったことを強調しました」

――それは真実ではなかった、と。

「CPBLも近年、検察とは密に連絡をとっていることを強調していましたし、またメディアに向けては、不確かなソースをもとにした報道でファンの視聴意欲にダメージを与えたり、連盟、球団、選手を傷つけることがないように呼びかけました。この他にも、日本でも報じられたとおり、日本でプレー経験のある外国人選手についても、こうした報道があったことは事実です。ただ、この選手が自身のSNSで報道へ怒りを示したことが報じられたのみで、その後、特に進展はありません」

 度重なる八百長事件で人気が低迷していた台湾プロ野球は2013年、WBC2次ラウンド進出という追い風を受け、マニー・ラミレスの来台、応援スタイルの改革などで人気回復に成功しました。ファンと選手の距離の近さは台湾野球の一番の魅力ですが、2度とファンを悲しませるようなことはして欲しくないですね」

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