イチローは「失敗するはずだった」 米データサイトが“唯一無二”の凄さ称賛
ゴロ率が高くヒットも量産する“イチロースタイル”「不可能を可能にした」
マーリンズからフリーエージェント(FA)となり、メジャー18年目のシーズンへ向けて移籍先を探しているイチロー外野手。2001年に渡米してから、今季まで通算2636試合に出場し、史上22位の3080安打をマークしてきた。同21位のキャップ・アンソン(3081安打)とは1差。さらに同20位のデーブ・ウィンフィールドは3110安打、同19位のアレックス・ロドリゲスは3115安打で、イチローが来季も米国でのプレーを続けることができれば、さらにランキングを上がっていくことは間違いない。
そんな安打製造機について、米データサイト「ファングラフス」は「イチローは不可能を可能にした」とのタイトルで特集記事を組んでいる。ゴロ率が高いわりに、フェアゾーンに飛んだ打球の打率が高いことに注目。日本から海を渡り、スタイルを変えずに結果を残した稀有な存在だとしている。
「ファングラフス」はまず「多くの打者が日本からMLBに来たが、イチローは他の誰とも異なり、北アメリカに定着してきた」と指摘。今季を見てみても、MLBは44%、NPBは48%と、日本の方がゴロ率が高いことを紹介した上で「しかし、この手法は太平洋の向こうではあまりうまく機能しない」としている。つまり、ゴロを多く打つスタイルは、メジャーではいい結果に繋がらなというのだ。特に、メジャーリーグでは近年、打者はフライを打つ技術が重視されている。ただ、「イチローには当てはまらなかった」という。
記事ではまず、NPBの野球スタイルについて「ユニークだ」と分析。2016年の中島卓也(日本ハム)のゴロ率が74.4%を記録したことは「驚異」だと表現している。さらに「各年のNPBゴロ率は47%と48%の中間であり、MLBが毎年記録する44%~45%よりも上回っている」というデータを紹介。その上で、ゴロにおけるBABIP(Batting Average on Balls In Play、本塁打を除いてグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合)が、NPBでは.245、MLBでは.241であることから「日本人選手はゴロでより頻繁に出塁している」と、リーグの傾向の違いを指摘している。