阪神藤川が今季に危機感を抱くワケ 伝えたい「フィニッシュ・ストロング」

「始まりじゃなくて終わりを意識しないといけない」

 ベテランになれば「譲らなければいけない部分も出てくる」という。「譲らないっていうのは、僕はあまり好きじゃない」と言う藤川が、チーム全体のことを考え、後輩のことを考えた言動を取るのは、野球を楽しみたいという思いと自分のパフォーマンスに対する深い自信があるからだ。

「自信がなければやってられないですよ(笑)。譲る用意はあっても、負けないだろうから。ポジションとしては、ブルペンの中ではクローザーから数えて一番最後かもしれないけど、要は『0』に抑える回数の話。どこで投げたって、そこは負けないですよ。

 チームとして理想なのは、ブルペンみんなが同じような数字で競い合うこと。今年は首脳陣が起用法で悩んでいたらしいけど、来年はもっと悩むと思いますよ(笑)。活きがいい若手もいっぱいいるから」

 救援陣の切磋琢磨を煽るだけではなく、もう1つ伝えていきたいことがある。それはカブス時代に投手コーチだったクリス・ボジオ氏(現MLBタイガース投手コーチ)に言われた「フィニッシュ・ストロング(力強く締めくくれ)」という言葉だ。

「ボジオとは上手くいかないこともあったけど(笑)、実はこの言葉は大事にしてますね。始まりじゃなくて終わりを意識しないといけないっていうのは、特に今の阪神には言えるかもしれない。リーグ2位だったとしても、日本シリーズで優勝するまで強くいかないと。だって、リーグ3位だった横浜(DeNA)の方が上だったみたいになってるからね、実際。広島だってリーグ連覇したけど、みんなテンション下がってるでしょ。だから、終わり方は大事なんですよ。何位でもいいから最後まで頑張ろう。終わり方が強くないと評価されないぞっていう形に、選手間で盛り上げていきたいですね」

 選手の危機感を煽る発言を繰り返しながらも、新シーズンに向けて「楽しみ」と言い切る。

「楽しみですね。下馬評は高いと思うから、今年出した数字以上のものを、みんなが提供しないといけない。できるんじゃないかな? ドリス(2.71)だってマテオ(2.75)だって防御率は2.7台でしょ。全然よくないけどあれだけできたんだから、伸びしろがあるってこと(笑)。僕も2.22だから伸びしろがある。クワ(桑原=1.51)は0点台を目指せばいい。そういう方向にマインドを持っていきたいですね」

 時には苦言を呈する嫌われ役に。時にはやる気を煽るリーダー役に。ベテラン藤川の存在は、現在の阪神ブルペンでは1人のリリーバーとして以上の価値を持つのかもしれない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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