過去10年で検証 新人王選手に「2年目ジンクス」はあるのか?

セの新人王2年目は?

 それではセ・リーグはどうだろうか?

〇2007年 上園啓史1年 (神)8勝5敗0S 0H 防御率2.42
→4勝0敗0S 0H 防御率3.14
〇2008年 山口鉄也3年 (巨)11勝2敗2S 23H 防御率2.32
→9勝1敗4S 35H 防御率1.27
〇2009年 松本哲也3年 (巨)109安 0本 15点 16盗 打率.293
→91安 0本 22点 17盗 打率.287
〇2010年 長野久義1年 (巨)124安19本 52点 12盗 打率.288
→164安17本 69点 19盗 打率.316
〇2011年 澤村拓一1年 (巨)11勝11敗0S 0H 防御率2.03
→10勝10敗0S 0H 防御率2.86
〇2012年 野村祐輔1年 (広)9勝11敗0S 0H 防御率1.98
→12勝6敗0S 0H 防御率3.74
〇2013年 小川泰弘1年 (ヤ)16勝4敗0S 0H 防御率2.93
→9勝6敗0S 0H 防御率3.66
〇2014年 大瀬良大地1年 (広)10勝8敗0S 0H 防御率4.05
→3勝8敗2S 20H 防御率3.13
〇2015年 山崎康晃1年 (De) 2勝4敗37S 7H 防御率1.92
→2勝5敗33S 7H 防御率3.59
〇2016年 高山俊1年 (神)136安8本 65点 5盗 打率.275
→82安6本 24点 6盗 打率.250
〇2017年 京田陽太1年 (中)149安 4本 36点 23盗 打率.264
→?

 2年目に大きく落ち込んだのは、2007年の上園啓史。4勝0敗だったが9試合しか登板できなかった。上園も新人王の年がキャリアハイになり、2015年限りで退団した。
2009年の松本哲也は、2008年の山口鉄也に続き、育成枠から這い上がって新人王になり話題となった。翌年も94試合に出場し91安打を打ったが、以後、出場機会は減少。2017年限りで引退した。彼も新人王の年がキャリアハイになった。

 しかし他の選手は「2年目のジンクス」に苦しんだ形跡はない。先発から救援に転向するなど、ポジションが変わった選手はいるが、いずれも主力選手として活躍している。

 こうしてみると、新人王に限っては「2年目のジンクス」は、例外的だと言えよう。言い換えれば「2年目」を乗り越えられないと、その選手は主力選手になれないということだ。つまり、2年目の成績が重要。西武の源田壮亮、中日の京田陽太の2年目は、どうなるだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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