【投手の球数を考える】メッセと藤浪、投球数の比較で浮かび上がる一つの仮説
昨季不振に陥った藤浪、今季どう立て直すのか
〇2017年
1マイコラス(巨)2954球(1登板109.4球 1回15.71球)
2菅野智之(巨)2795球(1登板111.8球 1回14.92球)
3田口麗斗(巨)2729球(1登板105球 1回15.99球)
4ブキャナン(ヤ)2569球(1登板102.8球 1回16.09球)
5野村祐輔(広)2560球(1登板102.4球 1回16.48球)
6メッセンジャー(神)2503球(1登板113.8球 1回17.50球)
39藤浪晋太郎(神)1093球(1登板99.4球 1回18.53球)
昨年はメッセンジャーも2503球しか投げることができなかった。2012年から続いた投球数3000球は5年で途切れたが、これは8月10日の巨人戦で右足に打球が当たり、負傷したためだ。その時点で2446球を投げており、圧倒的に1位だった。負傷さえしなければ、昨年も優に3000球を投げていたはずだ。メッセンジャーはNPBの常識では考えられないスタミナの持ち主なのだ。
しかし一方で藤浪は制球を乱し、たびたび致命的な死球を与えるなどして、シーズンを通して不振に陥った。投球数は1093球まで減った。
藤浪は2年目からエースのメッセンジャーと同じ登板間隔で、同じようなペースで投げた。しかし藤浪はメッセンジャーではない。こんな驚異的なペースで長年投げ続けることは難しい。そのために成績が低下してきた、という仮説も成り立つかもしれない。
藤浪はこれまでの投球を見直して、独自のペース配分、投球術を編み出すことが必要なのではないか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)