群を抜く王貞治 阿部はON、川上にどこまで迫れるか 巨人の歴代投打5傑

勝利数は別所、槇原は最多奪三振。西村、沢村の復活はあるか

投手成績

○通算勝利数5傑
1別所毅彦 221勝(1949-60年)
2中尾碩志 209勝(1939-57年)
3堀内恒夫 203勝(1966-83年)
4スタルヒン 199勝(1936-44年)
5藤本英雄 183勝(1942-46年、1948-55年)

 別所は南海のエースだったが「別所引き抜き事件」という球界を揺るがす事件の末に巨人に移籍。それまで別所昭だったが、名前も毅彦と改めた。中尾は戦前から戦後にかけてのエース。堀内はドラフト1期生、V9時代のエースだ。ロシアに生まれ、1925年に日本に亡命したスタルヒンは、プロ野球草創期に沢村栄治とともに巨人を支え、1939年にはシーズン42勝のNPBタイ記録を作っている。藤本は史上初の完全試合を達成。現役では内海哲也が128勝で最多だ。

○通算奪三振数5傑
1槙原寛己 2111個(1983-2001年)
2桑田真澄 1980個(1986-2006年)
3堀内恒夫 1865個(1966-83年)
4斎藤雅樹 1707個(1984-2001年)
5中尾碩志 1597個(1939-57年)

 完全試合を達成したこともある槇原が1位に立つ。2位には、槇原と同時期に活躍した桑田真澄。右肘のケガが無ければどれだけの数字を残していたか気になるところだ。現役では内海哲也が1440個で6位につけている。

 
○通算セーブ数5傑
1角三男 93(1978-89年)
1クルーン 93(2008-10年)
3西村健太朗 81(2004年-)※
4石毛博史 80(1991-96年)
5澤村拓一 73(2011-)※

 セーブ記録は1975年に導入されて以降のもの。長い歴史を誇る巨人だが、意外にも100セーブ以上の投手はいない。角三男はプロ3年目から中継ぎに専念し活躍した左腕。クルーンは3年で角の記録に並んでいる。現役では西村健太朗と澤村拓一がランクイン。ケガを乗り越え復活を果たせば、ともに1位に立つ可能性がある。

野球殿堂入り

1959年 正力松太郎 経営者
1959年 沢村栄治 選手
1960年 ヴィクトル・スタルヒン 選手
1963年 中島治康 選手・指導者
1965年 川上哲治 選手・指導者
1968年 鈴木惣太郎 経営者
1969年 苅田久徳 選手
1969年 三宅大輔 指導者
1969年 田部武雄 選手
1974年 藤本定義 指導者
1976年 中上(藤本)英雄 選手・指導者
1977年 水原茂 選手・指導者
1978年 吉原正喜 選手
1979年 別所毅彦 選手・指導者
1979年 谷口五郎 指導者
1980年 千葉茂 選手・指導者
1983年 三原脩 選手・指導者
1985年 杉下茂 指導者
1988年 長嶋茂雄 選手・指導者
1988年 金田正一 選手・指導者
1990年 張本勲 選手
1991年 牧野茂 指導者
1992年 廣岡達朗 選手・指導者
1994年 王貞治 選手・指導者
1994年 与那嶺要 選手・指導者
1995年 呉昌征 選手
1996年 藤田元司 選手・指導者
1998年 中尾碩志 選手・指導者
1999年 中西太 指導者
1999年 近藤貞雄 選手・指導者
2002年 山内一弘 指導者
2002年 フランク・オドール ジャイアンツ命名者
2003年 関根潤三 選手・指導者
2005年 森祇晶 選手・指導者
2008年 堀内恒夫 選手・指導者
2009年 青田昇 選手・指導者
2011年 落合博満 選手
2011年 皆川睦雄 指導者
2016年 斎藤雅樹 選手・指導者
2016年 工藤公康 選手
2018年 松井秀喜 選手
2018年 原辰徳 選手・指導者

 プロ野球の父と言われる正力松太郎から、プロ野球史を彩った錚々たる顔ぶれが並んでいる。苅田久徳、田部武雄のようにプロ野球発足以前に巨人を離れた野球人もいれば、名将と言われた水原茂、三原脩、金田正一、張本勲、工藤公康のように他球団から移籍した大選手もいる。杉下茂、中西太、山内一弘のように、コーチでのみ在籍した他球団育ちの野球人も多い。まさに巨人の歴史は、プロ野球の歴史と言っても良いことがこの顔ぶれでもわかる。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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