14年連続開幕投手、37歳で21勝…殿堂入りの右腕モリスが残した偉大な記録

晩年に移籍したツインズでもチームを世界一に牽引したジャック・モリス【写真:Getty Images】
晩年に移籍したツインズでもチームを世界一に牽引したジャック・モリス【写真:Getty Images】

スプリッターの使い手、タイガースのエースとして長く活躍

 2018年度のベテランズ委員会によって米国野球殿堂に選出されたジャック・モリス氏はデトロイト・タイガースなどで活躍した先発右腕投手。スプリッターの使い手だった。

 1955年2月ミネソタ州生まれ。ブリガムヤング大を経て1976年ドラフト5巡目でデトロイト・タイガースに。このときのドラフト同期、2巡目には今年同じベテランズ委員会によって殿堂入りが決まった遊撃手のアラン・トランメルがいた。

 190センチ、88キロの恵まれた体。出世は早く、ルーキー・リーグ、AAを駆け抜けて翌1977年7月26日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。先発のデーブ・ロバーツが3回に降板した後を受けて4回を投げ、2安打自責点2。1979年には、先発ローテーションの一角を担い、17勝。この年から10年連続で2桁勝利を挙げた。

 制球にやや難があり、WHIPは通算で1.30。塁上に走者をたくさん出したが、それをしのいでイニングを稼ぐタイプだった。スタミナがあり、18シーズンで11回2桁完投。速球とスプリッターのコンビネーションで、ゲームを作る名人でもあった。

 ストライキのためシーズンが短縮された1981年に14勝で最多勝。1983年には20勝して最多奪三振。タイガースのエースとして長く活躍した。

 タイガースは、1979年途中から1995年まで17年にわたって名将スパーキー・アンダーソン監督が采配を執った。長期政権の常として、選手が固定される傾向にあり、エースはジャック・モリス、捕手はランス・パリッシュ、遊撃手はアラン・トランメル、二塁はルー・ウィテカー、三塁はトム・ブルックス、外野はカーク・ギブソンなどのメンバーが長くレギュラーを務めた。選手の移動が激しい現代のMLBとは今昔の感がある。

殿堂候補としては最高得票率67.4%も…ベテランズ委員会で選出

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY