オリックス宮崎キャンプ 1、2軍キャンプを同時に見る贅沢

春季キャンプでブルペン入りしたオリックス・金子千尋【写真:広尾晃】
春季キャンプでブルペン入りしたオリックス・金子千尋【写真:広尾晃】

2015年から「清武総合運動公園」に移転

 オリックス・バファローズは、2014年まで沖縄県の宮古島で1,2軍春季キャンプを行っていたが、2015年から宮崎市の清武総合運動公園に移転した。年数は浅いが、地元の力強い支援を受け、賑わっている。

 移転1年目の2015年は、メイングランド(SOKKENスタジアム)とブルペン、サブグランドだけだったが。2015年9月に第2球場ができた。このため、2016年からはそれまで分散して実施していた2軍キャンプも併せて行うようになった。

 メインのSOKKENスタジアムと第2野球場は、ともに両翼100m、中堅122mで同じサイズ。スコアボードやスタンドなどは違うが、1軍、2軍が同じ条件で練習できるようになっている。

 朝のウォームアップは、1軍、2軍ともに同時にスタートする。2つの球場は隣接している。SOKKENスタジアムの三塁側スタンドの一番上からは、2軍の様子も見ることができる。キャンプも後半戦になれば、1軍と2軍が同時に練習試合をすることもある。両方の試合を、交互に見ることも可能。こういった贅沢ができるキャンプは、ここだけだ。

 オリックスキャンプの最大の見所は、ブルペンだ。多くのキャンプ地では、ブルペンは5~6人の投手が同時に投げることができる程度の規模だが、オリックスのブルペンは、ホームベースが10枚、ずらりと並んでいる。

 ここに金子千尋以下、オリックスの投手陣がそろって投げ込みをするさまは、まさに壮観だ。球場では聞くことのできない、大きなミットの音や選手の細かな表情など、普段では味わえない光景が目の当たりにできる。ブルペンには、観客席が設けられておりファンはここで、思う存分投手のパフォーマンスを楽しむことができる。

 午後になると、全体の練習はひと段落して、選手たちは個別の課題に取り組む。室内練習場の「日向夏ドーム」に隣接した多目的グランドにも、土が入れられダイヤモンドが整備されているが、野手陣は個別にノックを受ける「特守」を行う。コーチが放つ鋭い打球を、延々と受け続けるさまは壮絶だ。

 グランドのファウルエリアでは、捕手がワンバウンドの捕球の練習をしていたりする。試合で見る高度なプレーは、こうした地道な連取のたまものだということを実感する。

 多目的ドームにはスタンドはなく選手との距離は非常に近い。選手の息遣いを聴くこともできる。これも春季キャンプの魅力の一つだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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