“命令違反”も指揮官「痺れた」 米を魅了するサブマリン牧田和久の投球術

パドレス・牧田和久【写真:Getty Images】
パドレス・牧田和久【写真:Getty Images】

11日のロッキーズ戦、7回無死一、三塁のピンチで登板も無失点

 今季パドレスに加入した牧田和久投手は独特のサブマリン投法を武器に防御率1.80の数字を残し活躍している。早くもセットアッパーとしての地位を確立した日本人右腕のある“命令違反”に、アンディ・グリーン監督は「あれを見たのは痺れた」と、心を動かされたことを明らかにしている。地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」が報じている。

 現役時代に日本ハムでプレー経験を持つグリーン監督の心を揺さぶったのは10日(日本時間11日)の敵地ロッキーズ戦だった。7回無死一、三塁で迎えた大ピンチで、指揮官は先発ルッケージを諦め、牧田にマウンドを託した。指揮官は33歳の右腕にこう伝えたという。

「自分は基本的に彼にこう伝えたんだ。ヘイ、三塁にいるヤツは得点させても構わない。それ以外は全員アウトにしよう、とね」

 だが、牧田は指揮官の指示に従わなかった。デズモンドを右飛に打ち取ると、続くパーラは空振り三振。最後はバライカを一飛に仕留め、完璧な火消しに成功した。

「彼は僕の言うことを聞かなかったんだ。得点を許さなかったんだよ。あれを見たのは痺れたよ」

 強打ロッキーズ打線相手に1失点を許容範囲とした指令を受け入れず、無失点に抑え切ったサブマリンに、グリーン監督は感銘を受けていたという。

「自分は豪速球を投げるタイプではないので、打者の体勢を崩すことができてうれしい」と通訳を介して、牧田は語っていたという。米メディアESPNでは平均時速130キロのファストボールを「野手より遅い」と特集されたサブマリンだが、まさに「柔能く剛を制す」という格言を体現しているとも言えるだろう。

「マキタは我が道を行く」

 この特集でも高く評価されたメジャーの舞台で見せるサブマリンの美学。33歳右腕は、今季パドレスのカギを握る存在になりそうだ。

(Full-Count編集部)

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