ハムのお祭り男・杉谷が存在感 先制につなぐ初安打「新人には負けられない」

日本ハム・杉谷拳士【写真:石川加奈子】
日本ハム・杉谷拳士【写真:石川加奈子】

初回に先頭・西川に続く左前打で先制の呼び水

 日本ハムの杉谷拳士内野手が22日、本拠地でのソフトバンク戦に「2番・右翼」で今季初めて先発出場。3打数1安打1打点を気を吐き、11-2の勝利に貢献した。

 待望の今季初安打は、初回にいきなり飛び出した。先頭の西川遥輝外野手が左前打で出塁すると、左打席に立った杉谷も続き、下手投げの高橋礼投手が投じた2球目を左前に運んだ。「遥輝が見本を見せてくれたので、反対方向がいいのかなと思って。新人には負けられないですから」と、この日がプロデビュー戦だったルーキーの出鼻をくじいた。

 送りバントは想定してなかったという。「(ベンチは)“何とかしろ”という雰囲気だったので。先制点につなげられて良かった」と振り返る。この回、中田翔内野手の先制犠飛とアルシア外野手も適時打で2点を奪って主導権を握り、「昨日嫌な負け方だったので先制点につながって良かった」とホッと息をついた。

 5回には初球に犠打をきっちり決めて追加点をお膳立て。6回には2死満塁から押し出し死球で今季初打点も挙げた。「監督が打順に苦労していることはわかっていた。落ち着いてチャンスを3番、4番に回せるように」と自分の仕事を全う。栗山英樹監督は「必死になって、このチャンスを生かすんだという魂みたいな集中力を感じた。本当にいい仕事をしてくれた」と目を細めた。

 この日は「大将」と慕う中田の29歳の誕生日だった。「そういうことを言っている場合じゃないですから」と話しながらも、「一昨日は吉井さんの誕生日で勝って、今日は大将の誕生日で勝ったから、明後日誰かの誕生日だったら勝ちますね」とニヤリ。チーム一のお祭り男が、その存在感を発揮し始めた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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