両軍が戦力総動員 延長12回0-0の引き分け 13年以降の死闘を振り返る

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

4日DeNA-巨人戦では両軍合わせて13投手を投入

 5月4日に横浜スタジアムで行われたDeNA-巨人戦は、延長12回の末、0-0の引き分けに終わった。サッカーでいうスコアレスドローは、近年のNPBでは極めて珍しい。

 かつて、NPBは3時間や3時間20分など時間制で打ち切って引き分けにしていた時代があった。また、ダブルヘッダーの第1試合は9回で打ち切った時代もあった。しかし、現在は時間制限なしの延長12回制となったため、引き分けそのものが減少している。

 1970年代には1シーズンで両リーグ合わせて70試合前後まで引き分けになることもあったが、2017年はセパ合わせて16試合だった。なかでも0-0の引き分けは極めて少なくなっている。

 0-0の引き分けでは多くの投手を使うことになる。また両軍投手に多くのホールドがつくが、大きな負担を強いることにもなる。

 現在も続く時間制限なしの延長12回が採用された2013年以降、0-0の引き分けは7例目だ。この事例を見ていこう。投手リレーの記録をつける。(H)はホールド。

2013年 4月10日 阪神0-0巨人(甲子園)
阪神 投手5人:スタンリッジ-福原(H)-久保(H)-安藤(H)-加藤
巨人 投手4人:杉内-山口鉄(H)-西村(H)-マシソン

2013年 9月4日 楽天0-0西武(クリネックススタジアム宮城)
楽天 投手4人:美馬-長谷部(H)-青山(H)-金刃
西武 投手4人:十亀-涌井(H)-サファテ(H)-ウィリアムス

2013年 9月30日 オリックス0-0楽天(京セラドーム大阪)
楽天 投手5人:ダックワース-長谷部(H)-金刃(H)-青山(H)-福山
オリ 投手4人:金子-平野(H)-佐藤達(H)-馬原

2014年 8月13日 西武0-0オリックス(西武ドーム)
西武 投手5人:菊池-高橋朋(H)-岡本篤(H)-ウィリアムス(H)-武隈
オリ 投手6人:ディクソン-岸田(H)-佐藤達(H)-平野(H)-馬原(H)-比嘉

2015年 4月7日 楽天0-0ソフトバンク(楽天Koboスタジアム宮城)
楽天 投手5人:塩見-クルーズ(H)-金刃(H)-福山(H)-松井裕
SB 投手6人:大隣-二保(H)-森福(H)-バリオス(H)-サファテ(H)-森

2016年 4月9日 中日0-0巨人(ナゴヤドーム)
中日 投手7人:吉見-田島(H)-岩瀬(H)-福谷(H)-又吉(H)-小川(H)-山井
巨人 投手5人:田口-マシソン(H)-山口鉄(H)-澤村(H)-田原

2018年5月4日 DeNA0-0巨人(横浜スタジアム)
De 投手8人:石田-三上(H)-パットン(H)-山崎(H)-井納(H)-エスコバー(H)-三嶋(H)-砂田
巨人 投手5人:菅野-カミネロ(H)-マシソン(H)-澤村(H)-宮國

 まさに総力戦。両軍ともに「勝利の方程式」を担う投手を総動員したが勝敗は決しなかった。

 5月4日の試合では、巨人は延長12回表に2死満塁というチャンスがあったが、DeNAの8人目・砂田は代打・中井を三振に切って取った。その裏にDeNAも3安打したが、巨人の5人目・宮國も踏ん張った。

 2万8956人とほぼ満員の観客は投手戦を堪能したが、両軍は今日こそ打線に奮起してほしいと願っていることだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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