鷹サヨナラ逃した直後に痛恨被弾 工藤監督「明日取り戻すことが大事」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

田中の決勝被弾に「先の先まで考えてほしい」

 11日、ソフトバンクは延長11回の末、4対5で日本ハムに敗れた。中盤までは熾烈な本塁打合戦、終盤はブルペン陣のしのぎあい。そんな試合はやはり手痛い被弾が決勝点となった。

「あと一本が出ない」試合は決して珍しいことではない。しかし「こうも打てないのか」と思わせる試合はそうあるものではない。

 ソフトバンクは3本の本塁打を放ったものの、9回までに3番・柳田悠岐、4番・内川聖一、5番・デスパイネ、6番・松田宣浩がそれぞれ2度ずつ、計8度の得点圏で凡退を繰り返した。中軸がことごとくチャンスで打てない。この悪い流れを延長に入っても断ち切ることができなかった。

 延長10回無死二、三塁という絶対的なサヨナラチャンスを得ながら、内川、松田、代打・福田秀平がいずれも内野ゴロに倒れて得点ならず。その直後に田中正義がレアードに決勝弾を献上して、4時間超えの試合で痛い黒星を喫した。また、先発の東浜巨は初回に中田翔に2ラン、5回にも大田泰示に2ランを浴びて4失点。これで今季10被弾と一発病は深刻だ。

 試合後の工藤公康監督は終始伏し目がちで記者の質問に淡々と答えた。延長に入り、ブルペン待機の中田賢一より先に田中正義を起用したことについては「球威のある順番」と即答。田中の被弾については「歩かせれば次のバッターで(送り)バントしてくるでしょう。先の先まで考えてほしい。(あの場面で)勝負というのは…まあ、それもこれも結果なのでね。あそこで打たれたからといって正義に責任を押し付けることは良くないと思います」と語った。

 その決勝弾を含めて失点はすべて本塁打。工藤監督も「バッテリーで考えてもらわないといけないところ」と改めて注文を付けた。最後は「みんな打とうと思って打席に入っているし、一生懸命やろうと思ってがんばっているところなので、打った打たないというよりも今日の負けを明日取り戻すことが大事」と懸命に前向きな言葉を選んで会見を終えた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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