鷹・工藤体制最大の危機? グラシアル骨折、東浜右肩違和感…止まらぬ故障禍

ソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】

グラシアルの骨折が判明した、その日の試合で東浜が右肩違和感訴える

 故障の連鎖が断ち切れない。王者ソフトバンクが苦境に立たされている。25日、本拠地ヤフオクドームで行われた楽天戦。先発の東浜巨投手が初回に3失点、3回に2失点すると、3回で降板した。試合後に、降板理由が右肩違和感であったことが明らかとなり、右腕は26日に病院で精密検査を受けることになった。

 この日の楽天戦前には、今季から加入した新助っ人のジュリスベル・グラシアル内野手が左手第4指を骨折したことが判明。24日の西武戦で一塁へ帰塁した際に、指を突き負傷した。ただでさえ故障者続きで苦しい戦いを強いられている今季のホークス。グラシアルに加え、昨季最多勝の東浜まで離脱となれば、その影響の大きさは計り知れないものになる。

 昨季も故障者が続出し、それを乗り越えて日本一となったソフトバンク。だが。今季のそれは昨季以上の痛手となっている。今季の中心選手の故障者を挙げてみる。

和田毅(左肩違和感、2軍戦では登板)
五十嵐亮太(椎間板ヘルニア、2軍戦では登板)
岩嵜翔(右肘手術、リハビリ中)
デニス・サファテ(股関節手術、米国でリハビリ中)
スアレス(右肘トミー・ジョン手術、実戦には復帰)
内川聖一(右膝痛と左足首打撲、リハビリ中)
今宮健太(右肘関節炎、25日に途中出場)
グラシアル(左手第4指骨折、26日からリハビリ)
東浜巨(右肩違和感、26日に検査)

 とにかく投手陣、しかも替えの効かない柱にばかり故障者が相次いだ。和田と五十嵐は2軍戦での登板も何度もしており、復帰も近いが、不動のセットアッパーだった岩嵜、そして「キング・オブ・クローザー」のサファテは、早くとも復帰は夏以降となる。スアレスも実戦登板こそしたものの、トミー・ジョン手術からの復帰過程にあり、少なくともあと1か月ほどは要することになりそうだ。

 4番の内川も、まだ実戦には復帰しておらず。右肘関節炎で3試合スタメンから外れている今宮はこの日守備に就き、スタメン復帰は間近だろうが、25日に骨折が判明したグラシアルは復帰まで2か月という診断が下されている。そして、このタイミングでの東浜の右肩違和感。箇所が箇所だけに、無理はさせられないところだろう。

 25日の楽天戦に敗れ、3連敗となったソフトバンク。44試合を消化して22勝22敗と貯金が無くなった。近年、圧倒的な強さを誇ってきたソフトバンクにとって、30試合以上を消化した時点で貯金が無くなるのは、4位に終わった2013年以来のことだ。今季も優勝候補の大本命に挙げられていたソフトバンクだが、工藤公康監督が就任してからの4年間で最大のピンチかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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