広島、層の厚さ見せる大逆転サヨナラ勝ち 緒方監督「底力を見せてくれた」

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】
広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

1回3失点で初勝利のアドゥワには「これまで貢献してくれているんだから」

■広島 8-7 西武(30日・マツダスタジアム)

 広島は30日、マツダスタジアムで行われた西武戦に8-7で勝利した。延長10回、6番手のアドゥワが3点を奪われたが、その裏に4連打などで同点に追いつき、最後は満塁から鈴木が押し出しの四球を選んでサヨナラ勝ちとなった。アドゥワは19試合目の登板でプロ初勝利となった。

 5回終了時に雨で36分の中断を挟み、1点リードの9回にはクローザーの中崎がメヒアに一発を浴びて延長戦にもつれ込んだ。試合開始から5時間を超えたゲームを勝利で終え、緒方監督は「結果的にすごい試合だったね」と、少し疲れも見せた表情で勝利を喜んだ。10回表にアドゥワが満塁から秋山に走者一掃の三塁打を打たれて勝敗が決したかと思われたが、途中出場や代打の選手の活躍で大逆転でのサヨナラ劇となった。

 延長戦の3点ビハインドで6番からの打順と、絶望的とも思える状況だったが、野間、會澤の連打から、西川のタイムリーで1点を返し、この日1軍に昇格したばかりの堂林もタイムリー。犠打と申告敬遠を挟んで1死満塁となり、途中出場の下水流がレフト前に同点打を放った。緒方監督は「最後まで諦めないで戦った結果。途中から出た人も活躍したし、チームとして底力を見せてくれた」と、驚異的な粘りを見せた選手をねぎらった。

 1回3失点ながら、プロ初勝利となったアドゥワについて、指揮官は「本人も下を向いていたからね。(取材は)写真だけで勘弁してあげてよ」と苦笑の表情だったが、「これまで貢献してくれているんだから。また頑張ってくれればいい」と次回に期待した。

 負ければ交流戦連敗スタート、レギュラーシーズンからは4連敗となるセ・パの首位決戦で、奇跡的とも言える逆転勝利。スタメン復帰した丸が2安打を記録し、その丸が交代した後に控え選手が活躍してのサヨナラ劇は、改めて野手陣の層の厚さを感じさせた。リリーフ陣の不調など、不安要素も多かった交流戦だが、再加速の予感も感じさせるゲームとなった。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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