大谷の靭帯損傷「グレード2」とは? 「打者で出場、投手でリハビリ」も可能か
長期離脱となるトミー・ジョン手術の可能性は…
「厳密に言えば、グレード2の症状は、靭帯の部分断裂であり、グレード3は完全な断裂を指す。グレード2における靭帯のダメージ度合いは様々である。UCL(肘内側側副靭帯)に関して言えば、断裂が生じている箇所や程度次第で懸念材料となる」
つまり、グレード2と一口にいっても症状は様々で、深刻度も異なるというのだ。そして、完全断裂というひどい状態ではない。もっとも、完全断裂に至らなければ手術をできないというわけではなく、グレード2以下で靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切る選手もいるという。例として挙げられているのは、2015年のダルビッシュ有投手(現カブス)と今年4月のタイワン・ウォーカー投手(ダイヤモンドバックス)。どちらも完全断裂ではなかったが、肘にメスをいれることを決断した。
記事では「深刻化する可能性を秘めた状態」とも表現。そして、今回の大谷のケースについては「エンゼルスにとっては、ただちに彼をシャットダウンさせるに十分な問題となった」という事実も指摘している。
では、大谷が実際にトミー・ジョン手術を受ける可能性はあるのか。これが特集の2番目のテーマだが、「もちろん、最終的な決断を下すのは選手自身である」と言及。そして、「トミー・ジョン手術はリハビリ期間の長さもあり、決して簡単な選択肢ではなく、一般的には最終手段として選択される」としている。
ヤンキースの田中将大投手は2016年に右肘靭帯部分断裂を負ったが、PRP治療を受けた。複数のドクターから手術は必要ないとの診断を受け、ヤンキースが保存療法を選択。田中は球団の方針に沿って治療、リハビリを続け、約2か月半で復帰した。靭帯は自然治癒しないため、しばらくは調子が下降する度にニューヨーク・メディアに肘の懸念を指摘されたが、現在はそういった声はほとんど聞かれなくなった。
手術を受けるのか、受けないのか。どちらも可能性があるとしか現時点では言えない。ただ、特集では幹細胞注射の治療後、最終的にトミー・ジョン手術が必要となったケースがあることも紹介している。