山田久志氏が語るアンダースローの美学 「みんな型にはめようとする」
通算284勝、12連続開幕投手を務めた山田久志氏
サブマリン投法で知られ、通算284勝、歴代勝利数7位の記録を持つ山田久志氏。5月27日にわかさスタジアム京都で行われた復刻イベントのセレモニアルピッチに登場し、往年のアンダースローで観客を沸かせた。そんな山田氏が、今は少なくなったアンダースロー、サイドスロー投法についての思いを語ってくれた。
阪急で1975年~86年に12年連続開幕投手を務め、1975年~77年に3年連続日本一を達成。ミスターサブマリンとして知られる山田氏だが、意外にも秋田県の能代高2年までは内野手だった。高校の監督に「ピッチャーをやれ」と言われ投手に転向。アンダースローで投げるようになったのは、高校卒業後に入社した社会人の富士製鐵釜石時代だという。当初はサイドスローやスリークォーターなど、いろいろなところから投げていたが、社会人時代の監督やコーチがアドバイスをくれたことがきっかけで、アンダースローで投げることになったと振り返る。
「アンダースローが自分に合っていた。うまくはまったんだろうね。アンダースローにしてからは打たれなくなった。それに、アンダースローのいいところは、オーバースローに比べて肩や肘に負担がかからない。ただ、284勝もできたのは、それだけが理由ではないね。阪急がいいチームだったから。いくら自分が頑張っても強いチームに入らないと勝てないよ。打つ方もしっかり後押ししてくれた。自分でもよく勝てたなぁと思うよ」
山田氏と同じアンダースロー投法で、今年西武からメジャーリーグのパドレスに移籍した牧田和久投手は、開幕から苦しみ5月7日(同8日)にマイナーに降格。13日(同14日)にメジャー昇格を果たしたが、6月1日(同2日)に再びマイナー降格となった。そんな牧田に山田氏は、難しい部分もあると思うが、頑張ってほしいとエールを送る。
「メジャーにもアンダースローは結構いるから、バッターも全く見たことないというボールではないんだよね。それに、メジャーの投手は力があるけど、牧田はスピードがないから、かわすタイプ。頑張って欲しいけど、最後まで牧田らしくやれるかな。難しいかもしれないね」