こんな“フェイク”プレーあり!? 本盗成功に導いた一塁走者の「完璧な転ぶフリ」
重盗で勝ち越し点をもぎ取ったフロリダ大、三塁側から撮影された映像には…
米国の大学野球で投手を欺く「転倒トリック」プレーが飛び出し、話題となっている。勝ち越しの1点をもぎった“フェイク”について、MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」も、NCAA(全米大学体育協会)のツイッターで公開された動画を交えて特集。「完璧な転ぶフリ」と“称賛”している。
1-1で迎えた4回2死一、三塁の場面だった。カウント1-2で、フロリダ大の野球チーム「フロリダ・ゲーターズ」の一塁走者ホーバスがスタート。マウンド上の左投手は当然、すぐに気づいたが、その間に三塁走者のリースが本盗に成功。重盗で勝ち越しの1点をもぎ取った。
これだけなら、どこにでもあるプレー。ただ、センターから撮影された映像を使っていた中継では、一塁走者ホーバスの動きが映っていなかった。ピッチャーはスタートを切ったホーバスの方を見て、なぜかもたつき、本塁への送球が一瞬、遅れていた。いったい何があったのか。
三塁側から撮影されていた映像に秘密が隠されていた。ホーバスはスタートを切ってすぐのところで転倒。動きを見る限り、明らかにわざと転んでおり、これで投手の注意を引いた。一瞬の時間を作ったことで、三塁走者リースが本盗に成功。投手は我に返ったように急いで本塁にボールを送ったが、間に合わなかったというわけだ。
「Cut4」では「見事な“転ぶフリ”のおかげでフロリダ・ゲーターズは(相手チームの)オーバーンからホームスチールを奪う」とのタイトルで特集を掲載。その中で、投手はランナーを欺く行為は禁止されていて、ボークというルールがあるものの、走者にはないという事実に触れている。
記事では「走者はこのルールに従わなくてもいいのだ。やりたい様に、しかもご自由に、投手の気を散らせたり、攻めの姿勢を取れるのだから」と指摘。そして、「投手の不意を突き、三塁走者をホームスチールさせるという実に巧みな作戦がこの場面で敢行されているのだ」と、フロリダ大のトリックプレーを称えている。
「ホーバスが一二塁間で完ぺきな転ぶフリを見せることで、リース(三塁走者)が本塁を陥れるのに十分な時間稼ぎを行った。そんなの裏切り行為だ!」
投手の心理までも巧みに揺さぶったトリックプレー。見事に決まったことで、もちろんフロリダ大の選手たちは大喜びだった。