なぜ平野佳寿は2球種だけで抑えられる? 米データサイトが解析した秘密

フォームからは見分けがつかない直球とフォーク
ダイヤモンドバックス・平野佳寿投手が、20試合連続無失点と球団の新人記録を更新した。セットアッパーとしての地位を確立した平野は、なぜMLBの強打者たちを抑えられるのか。米データ分析サイト「ファングラフス」が、平野の投球についての特集記事を掲載した。
平野の持ち球は、直球とフォークの2種類だけ。投手、打者とも技術、データ解析が進んだ今の野球で、多彩な変化球が成功する投手の条件だけに、同サイトでも「このタイプで最近成功したのは、2016年のヘクター・ネリス(フィリーズ)ぐらい」という珍しい存在だとしている。
2種類しか球種がないにもかかわらず、直球の球速は平均92.2マイル(約148キロ)。豪速球で圧倒するタイプでもないが、92%の走者を残塁とし、対戦した打者の25.8%から三振を取り、WPA2.15はリリーフ投手の中で9番目の高い数値を残しているという。さらに、最大の武器はやはりフォーク。同サイトによると、打者がスイングすると、35.5%が空振りし、バットに当てた時は、60%以上がゴロになるという、まさに決め球だ。
そして、平野の最大の特徴は、リリースポイントが直球とフォークで2インチ(約5センチ)しか違わないことだとも指摘。にもかかわらず、両球種の垂直方向の動きには9.33インチ(約23.7センチ)の落差があるということで、打者としては、フォームから球種が読めない上、その軌道に大きな差があってはたまらない。
日本人投手では、今季巨人に復帰した上原浩治がやはりフォーシームとスプリットの2球種だけでクローザーを務めたが、同サイトは、平野についても「この2つの球種を上手く使いこなせば、打者がダメージを与えることはほぼ不可能である。ダイヤモンドバックスがプレーオフ進出を目指すのであれば、ヒラノを信頼し続けなければならないだろう」と結論づけている。
(Full-Count編集部)
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