龍谷大平安が乙訓に5回コールド勝ち 原田監督「ここにだけ集中していました」

龍谷大平安・小寺(左)と乙訓・川畑【写真:沢井史】
龍谷大平安・小寺(左)と乙訓・川畑【写真:沢井史】

乙訓の市川監督は「夏の独特の雰囲気の中で平安と試合をしたい」と対戦を熱望

 第100回全国高校野球選手権記念大会の地方大会は23日、わかさスタジアム京都で準々決勝を行った。龍谷大平安が選抜出場校の乙訓を11-0の5回コールドで下し準決勝進出を決めた。

「夏の独特の雰囲気の中で平安と試合をしたい」。

 センバツが決まったばかりの頃、乙訓の市川靖久監督がこう口にしていたことがある。鳥羽高出身の市川監督からすれば、平安は「憧れの存在。夏のわかさ(スタジアム)であの怪しいボレロが流れると、球場の雰囲気が何とも言えなくなるんですよ」。

 昨秋、お互いが勝ち進めば京都大会決勝でその夢が実現するはずだったが、龍谷大平安が準決勝で敗れ実現せず。今春の府大会でも龍谷大平安が準々決勝で敗退。秋、春と京都を制した乙訓からすれば、この対戦は願ってもない一戦だった。

 だが、終わってみれば龍谷大平安の一方的な展開だった。市川監督は、苦笑いしながらこう話す。「強かったですね。(先発した平安の)小寺君にあんなピッチングをされたら、どうしようもないですよ。うちが初回のチャンスで1点、いや2点でも取っていれば流れが変わっていたかもしれないですけれどね」。

 乙訓の先発、川畑も負けていなかった。初回は内野安打を一本許したものの、得意のストレート、スライダーと駆使して3個の三振を奪った。龍谷大平安の原田監督も「これはまずいなと思った」と話すが、外角ストレートに的を絞り、2回に1点を奪った後、3回には長短打を絡めて2点を追加し、乙訓をジリジリ突き放していく。

 原田監督の中でもこの試合はひとつのヤマと見ていた。「まずはここ(乙訓戦)にだけ集中していました。乙訓は投手もいいし、守備もいい。でも、ひとつ穴を開ければ畳み掛けられるんじゃないかと思いました」。その思惑通り、狙い球をしっかり振り切り、相手のミスも突いて5回には打者13人で8点を奪うなど、攻撃で圧倒。乙訓にまったくスキすら見せなかった。

「この夏は、何がなんでもという思いがあるんです」。原田監督は、100回目の夏への思いをずっと口にしてきた。伝統校として、今夏は聖地に立たなくてはいけない。そのために全てを賭けてきた。主将の松田も、その思いを背に夏へ向けて精神的に成長してきたと指揮官は明かす。

「去年の秋頃はよう怒りましたけれど、最近は一切何も言わなくなりました。顔つきもしっかりしましたし、自分がやるんだという姿勢を感じます」。

 優しくで厳しいことを言えない性格だが、最近は自分にも周りにも厳しくできるようになった。松田のキャプテンシーが強くなってきたことも、この夏の龍谷大平安の進撃に勢いをつけている。

「ひとつひとつですね。先を見過ぎずに目の前の試合だけを見ていきます」。

 どっしりと確実に。その先には、夢にまで見た夏の聖地、そして甲子園春夏通算100勝への挑戦権が待っている。

【表】龍谷大平安が選抜出場校の乙訓を撃破し準決勝進出! 京都大会のトーナメント表

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