サヨナラ勝ちの鷹・工藤監督 同点弾の上林を激賞「素晴らしい!凄い!さすが!」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

4点ビハインドの9回に追いつき、延長10回松田がサヨナラ打

■ソフトバンク 6-5 ロッテ(26日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクが大逆転サヨナラ勝ちを収めた。26日、本拠地ヤフオクドームで行われたロッテ戦。4点ビハインドの9回に上林が同点3ランを放って土壇場で試合を振り出しに戻すと、延長10回に1死満塁のチャンスを作り、松田が中堅の頭上を越える決勝のサヨナラ適時打を放って激戦に終止符を打った。

 何と言っても、この日は上林だ。敗色ムードのヤフオクドームのボルテージが一気に最高潮に達した。4点ビハインドで迎えた9回。ロッテのクローザー内をつかまえた。内川、松田の連打でチャンスを作ると、西田が左翼線適時打を放って1点を返した。2死まで持ち込まれたものの、ここで上林が起死回生の同点3ラン。内のスライダーにやや体勢を崩されながらも、左翼ホームランテラス席に運び、土壇馬で振り出しに戻した。

 試合後の工藤公康監督も、まずは上林の働きを激賞した。興奮気味に選手サロンに姿を表すと「あそこで打った上林くんは素晴らしい!凄い!さすが! どれも合わせて使ってあげてほしい」と最大級の賛辞を送り、称賛のコメントが次々に飛び出した。

 さらに延長10回には大谷を攻め立てた。先頭の福田が四球で出塁すると、1死二塁で内川が右前安打で繋ぐ。中村晃が申告敬遠で歩かされて満塁となると、最後は松田。大谷の外角低めのカットボールを捉えると、打球は大歓声の中で中堅の加藤の頭上を越えていった。指揮官は「あそこで何とかという思いが、ベンチもそうだけど、その一心で打ってくれた。よく打てってくれた」とサヨナラ打の松田も褒め称えた。

 24日の京セラドームでの同戦は今季最長5時間45分に及ぶ激戦の末に、延長12回引き分け。再三再四リードを奪われながらも追いつく驚異的な粘りを見せてのドローだった。そして、9回4点差から勝利をつかんだこの日の粘り。指揮官は「この粘りは本当に選手が持っている力です」と顔をほころばせた。敗れれば、借金生活に転落する一戦。崖っぷちで踏みとどまり、連敗も4で止めて3位に浮上した。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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