大谷所属のエ軍は“売り手”に? マルドナード放出は「将来を見越した取引」
正捕手を放出してマイナーの若手投手を獲得「2018年シーズンを犠牲にしてまで…」
エンゼルスは26日(日本時間27日)、マーティン・マルドナード捕手をトレードでアストロズに放出したことを発表した。メジャーでは、7月末のウエーバー手続きを経ないトレード期限を前に、プレーオフ進出が厳しくなったチームと優勝やプレーオフ進出を狙うチームが積極的に動く。かたや契約満了目前の主力を放出して代わりにチーム再建のため有望な若手を獲得し、かたや若手を放出する代わりに有力選手を補強して戦力強化を図る。今回のトレードで、大谷翔平投手が所属するエンゼルスは前者の立場にあたるが、今季を諦めてしまったのだろうか。
エンゼルスは現在、52勝52敗でア・リーグ西地区4位。首位アストロズとは15ゲーム差をつけられ、ワイルドカードでのプレーオフ進出圏内までも10ゲーム差。残り58試合ということを考えれば、極めて厳しいと言わざるをえない。右肘靭帯損傷で離脱していた大谷が打者で先に復帰することが決まった際、逆転でのプレーオフ進出へ向けて大きなプラス材料になるとも伝えられたが、快進撃とはならなかった。
地元紙「オレンジ・カウンティレジスター」は、今回のトレードについて伝える記事の中で「エンゼルスは自身を“売り手”の立ち場に置き、2018年シーズンを犠牲ににしてまで将来を見越した取引であるということを、このトレードはまさしく示しているようである」と指摘。そして、ビリ・エプラーGMのコメントを紹介している。
同GMは、マルドナードのトレードについて「好きなように捉えてもらって構わない」としつつ、「けれども、状況を見て我々に有利な方向に進んでいくという姿勢を保つ。シーズン中にはそういう時期がある。それが私の引き受ける役割の一つであり、フロントオフィスが任されていること。組織を成長させられる要素がもしあるとするならば、状況を見て有利な方向に進める考え方をする」と話している。
「あと60日間、マルドナードをチームに残し、その後にどういう展開を見せるか。それに対して、インパクトを備えた21歳の左腕のプロスペクトをチームに加えるチャンスが存在すること。その2点が、我々が天秤に賭けなければならなかったことだ」
つまり、今季の残りの試合よりも来季以降に重点を置いて、今回のトレードに踏み切ったと認めている。エンゼルスが“売り手”としての立場に完全にかじを切るのであれば、今季限りで契約満了となるマイク・ソーシア監督の去就にも大きな影響が出ることになる。事実上の“ギブアップ宣言”となってしまうのか。大谷も難しいチーム状況の中でプレーを続けることになりそうだ。
(Full-Count編集部)