育成から支配下登録で「10」 ホークス大竹、異例の背番号となった背景は…

育成枠から支配下登録されたソフトバンク・大竹耕太郎【写真:藤浦一都】
育成枠から支配下登録されたソフトバンク・大竹耕太郎【写真:藤浦一都】

ソフトバンクの空き番号は5、10、15、52、89しかなかった

 ソフトバンクは28日、育成選手だったルーキーの大竹耕太郎投手を支配下登録すると発表した。2017年の育成ドラフト4位で早稲田大学から入団した左腕はルーキーイヤーからウエスタン・リーグで8勝負けなし、防御率1.87の好成績をマークしており、背番号は「10」となった。

 育成からシーズン途中での支配下昇格で背番号「10」とは異例なこと。だが、これにはソフトバンクのチーム事情が大きく絡んでいる。実は「10」以外の選択肢がほぼ無かった。

 大竹の支配下昇格で、ソフトバンクの支配下登録選手は上限の70人に達した。7月末の支配下登録が間近に迫っているものの、そもそも上限いっぱいの70人まで選手が登録されることは、それほど多いことではない。

 さらに、ソフトバンクには選手以外に、他球団に比べて遥かに多くのコーチが在籍している。これはソフトバンクの選手育成を支える3軍制が大きく影響しており、工藤公康監督以下コーチ陣だけで27人が在籍。70番以降の背番号のほとんどはコーチ陣が着用している。

 大竹が着用することになった「10」以外で、空き番号となっていたのは「5」「15」「52」「89」だけ。「15」はかつて藤井将雄氏が着けていた背番号、「89」は王貞治球団会長が監督時代に背負った背番号で、共に準永久欠番の扱いとなっている。

「5」は松田宣浩が以前に着けていた番号だが、一桁番号はやはり野手のイメージ。「52」は今季開幕直前に退団となった川崎宗則が背負っていた。こうした状況を考えると、やはり候補となるのは「10」しかなかったということだろう。

「(東京)六大学ではキャプテンの背番号ですので、嬉しいです。10番イコール大竹とイメージを持っていただける活躍をしたい」と背番号について語っていた大竹。直近では、15年まで李大浩が背負っていた背番号10。大竹耕太郎には新たな背番号の歴史を築いていってもらいたいところだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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