神奈川を代表する2球場 保土ヶ谷球場と横浜スタジアムに抱く選手の思い

横浜高を育てたと言っても過言ではないハマスタ

 ハマスタといえば横浜高だろう。なんと春15回、夏16回の甲子園出場(春3回、夏2回の全国制覇)。グリーンの鮮やかな人工芝と横浜をイメージしたY形の照明灯の下には、横浜高のグレーのユニホームがよく映える。中でも印象的なのは、やはり90年代にエース松坂大輔(中日)を擁した世代は、小池正晃(DeNAコーチ)や後藤武敏(DeNA)、小山良男(中日スカウト)など、その後、数多くのプロ選手を輩出。98年には春夏連覇を成し遂げた、まさにプラチナ世代だ。「いい思い出も悪い思い出もある。特別なスタジアムですね 」。2008年、久しぶりにハマスタへ足を踏み入れた松坂が、こう語ったのも理解できる。

「やっぱりハマスタは特別。いろいろありましたけど、本当にいい思いをさせてもらったと思う。だから、ここでダイスケと対戦したい。あの時のメンバーで現役で残っているのは2人だけですからね」

 そして、その松坂との対戦を熱望するのは後藤である。高校時代から20年以上経ても熱い思いを共有できる。これも野球の素晴らしさだ。

「高校時代のことももちろんですけど、小池の最後の試合も印象に残っている。あの場面で打つなんて、やっぱり小池はさすがだと思った。まぁ、寂しい気持ちもあったけど、あれはずっと記憶に残る2本ですよね」

 そう後藤が語ったのは2013年10月8日、ハマスタでの阪神戦。この年限りでの現役引退を表明していた小池は、引退試合となったこの試合にスタメンで出場、2本の本塁打を放った。

「プロに入ってあまり結果は出せなかった。正直、ハマスタで悔しい思いもたくさんしてきた。でも、最後にああいう形で打てた。一生、忘れることはない。自分の実力以上のものをファンの方を含め、ハマスタが生み出してくれたと思う」(小池)

 高校時代から続いてきたストーリーが完結を迎えた瞬間。多くの人々の目には光るものがあったが、小池にとってこれ以上のハッピーエンドはない。安っぽい三流映画でも描けない、出来すぎたストーリーであった。

2020年、そしてそれ以降へ歩みを進めるハマスタ

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