ボール球を見極め、中越に重圧かけた慶応 セイバーメトリクスで見る甲子園
投手の指標は? 済美の山口は低めへの制球で中央学院を抑える
◯投手指標
(P/IPは1イニングあたりの投球数、WHIPは1イニングあたりで安打、四球でどれだけ走者を出したかの指標)
【星稜】
奥川恭伸(右)
8回 投球数111 P/IP 13.88 WHIP 1.13
寺西成騎(右)
1回 投球数9 P/IP 9.00 WHIP 0.00
【藤蔭)
吉村紘輝(右)
2回1/3 投球数45 P/IP 19.29 WHIP 3.00
市川晃大(右)
5回2/3 投球数90 P/IP 15.88 WHIP 1.41
【済美】
山口直哉(右)
9回 投球数109 P/IP 12.11 WHIP 1.00
【中央学院】
西村陸(右)
9回 投球数151 P/IP 16.78 WHIP 1.44
【慶応】
生井惇己(左)
7回2/3 投球数131 P/IP 17.09 WHIP 1.56
渡部淳一(左)
1回1/3 投球数15 P/IP 11.25 WHIP 0.00
【中越】
山本雅樹(右)
5回2/3 投球数105 P/IP 18.43 WHIP 1.41
山田叶夢(左)
3回0/3 投球数43 P/IP 14.33 WHIP 1.00
済美の山口投手は、スライダー、チェンジアップのコントロールが低めに決まり空振りを多く取ることができました。特に中央学院の4番、大谷拓海選手に対して投じた11球のうち5球で空振りをとり、2三振と抑え込みました。また9回で109球と球数も抑えています。
中越は、右の山本と左の山田を交互に起用し慶応打線を抑えてきましたが、最後は左の山田が、左打者の宮尾に打たれサヨナラ負けを喫してしまいました。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。