清宮VS櫻井、岩見VS宮台…ファームは選手同士の「物語」に深みをつける
六大学で対戦を重ねた楽天岩見と3人の左腕
ルーキーながら、2軍でチーム最多の9ホーマーを放っている岩見雅紀外野手(楽天)と、彼と浅からぬ縁のある投手たちにも注目してほしい。
岩見は慶応義塾大学在学時に東京六大学野球歴代3位の21本塁打を放っており、その相手投手には東京大学・宮台康平投手(現日本ハム)、明治大学・齊藤大将投手(現西武)、早稲田大学・大竹耕太郎投手(現ソフトバンク)らプロ入りした3人の左腕が含まれる。
岩見と3投手の対戦は、ここまで齊藤大との1打席だけで結果は四球。現在、齊藤大は貴重な左投げとして1軍からお呼びがかかり、大竹はウエスタンの球団所属に加えて、1軍初登板を初勝利で飾ったばかりだ。
そう考えると、次に対戦する可能性が高いのは宮台だろう。ちなみに岩見は、慶応義塾大学の先輩の白村明弘投手(現日本ハム)とも、2軍で3打席対戦している(1安打1三振)。
アマチュア時代の関係をなぞれば浮かび上がるのは、もちろん敵味方の関係だけではない。例えば、ウエスタンで牙を研ぐオリックスのK-鈴木投手と、その先輩の比嘉幹貴投手は、同じ国際武道大学、日立製作所を経てドラフト2位指名でプロになった点が共通している。
プレースタイルこそ、長身から投げ下ろす本格派とサイドスローで大きく違う。だが、故障の影響で苦しんだここ数年を経て、2軍でしっかりと結果を残し、再び1軍で戦力となっている比嘉の姿に、感じ入るものがあるのではないかと想像したくなる。
若手が多いファームでは特に、同世代の選手が両軍のメンバーに固まる傾向があり、その関係性を知るファンならば思わず「おっ」と言ってしまうような再会がしばしば見られる。そうしたシーンや対戦を重ねることで、ファームは選手同士の間にある「物語」を育てる場としても機能しているのだ。
今しか見られないその姿を、追いかけてみてはいかがだろうか。