底辺拡大への取り組み 西武が行なった園児向けイベントの意味とは…
7月19日に行われた「ライオンズキッズボールゲームフェスタ」
7月19日に西武が、球団初となる幼児向けイベント「ライオンズキッズボールゲームフェスタ」を開催した。本拠地のメットライフドームに埼玉県所沢市内にある5つの幼稚園・保育園から年長園児約140名が参加。球団公式パフォーマーであるブルーレジェンズがレクチャーをし「キャッチ&ランゲーム」を試合形式で行った。
このゲームはバッティングティーの上にボールを置いて打つ「ティーボールゲーム」を園児でも楽しめるようにアレンジしたもの。簡単な野球の動きを取り入れた遊びを経験してもらい、広い野球場で思いきり遊び運動を好きになるきっかけを作ることが目的だ。
本イベントは、今年3月に同社が立ちあげた地域コミュニティ活動「L-FRIENDS(エル・フレンズ)」としての取り組みで、「野球振興」と「こども支援」の観点から実施された。この2つに「地域活性」を加えた3本の柱がプロジェクトの根幹にはあり、さまざまなイベントをとおして、ファンと地域が選手やスタッフとつながる機会を提供する。
「バットを持ったのは初めて。特にボールを打つのが楽しかった。幼稚園でもまたやりたい!」(所沢ひまわり幼稚園園児)。
「ルールも簡単で子ども達も理解できたので、ボールやバットを使って自由時間に園庭で園児たちとボール遊びを楽しみたいと思います」(藤澤拓也理事長/所沢ひまわり幼稚園)。
参加者から聞かれたこれらのような声は、今後も増やさなければならないものだ。少子化や場所の問題などにも起因する野球人口の低下は、もちろんプロ野球界にも影響を与える。魅力的な試合と観客動員数を増やすだけではなく、いかに気軽に競技の魅力に触れられる機会を提供できるか。今回のイベントのような長期的な視点からの取り組みもまた、プロ野球界による底辺拡大の余地が残された領域だろう。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)