創志学園・西、抜群のキレ味を示す数値 ボール球の空振り率は驚異の41.3%

セイバー目線で甲子園を分析
セイバー目線で甲子園を分析

土浦日大は予選では強打も…興南にOPSで「.529 vs .935」と差をつけられる

 メジャーリーガーを輩出した名門校から、将来のプロ選手を嘱望される選手を擁する新進気鋭の高校とバラエティに富んだチームが登場した第5日目の試合をセイバー目線で分析してみましょう。

◯攻撃指標
OPS 出塁率+長打率
wOBA 1打席あたりにどれだけチームの得点に貢献したかを表す指標
O-swing% ボールゾーンのスイング率
Z-swing% ストライクゾーンのスイング率
Z-contact% ストライクゾーンのコンタクト率

【横浜】
得点7 打率.333 出塁率.342 長打率.639 盗塁1/2
OPS .981 wOBA 0.444
O-swing% 30.9%
Z-swing% 59.2%
Z-contact% 90.5%

【愛産大三河】
得点0 打率.161 出塁率.212 長打率.161 盗塁3/4
OPS .373 wOBA .209
O-swing% 38.7%
Z-swing% 55.4%
Z-contact% 83.9%

 長短打合わせて12安打、OPS.981の横浜に対し、5安打すべて単打と大きく水をあけられてしまった愛産大三河。愛産大三河のO-swing%はなんと38.7%。横浜先発・板川投手のフォークを上下に投げ分ける投球術にはまり、9三振を喫してしまいました。

 横浜の4番・万波選手は愛産大三河・松原投手のストライクゾーンにきたストレートを2球空振りするなどまだ本調子ではない様子。また横浜の打者のO-swing%は30%台と多め。次戦での調整に期待です。

【下関国際】
得点4 打率.333 出塁率.350 長打率.333 盗塁2/2
OPS .683 wOBA .302
O-swing% 25.4%
Z-swing% 53.1%
Z-contact% 86.0%

【花巻東】
得点2 打率.229 出塁率.250 長打率.257 盗塁1/2
OPS .507 wOBA .257
O-swing% 37.5%
Z-swing%% 73.0%
Z-contact% 89.1%

 花巻東のZ-swing%の高さより積極的にスイングしようという心意気は見えるのですが、下関国際・鶴田投手のストライクゾーンからボールゾーンに落ちる変化球に手を出し多くのゴロを量産。相手の術中にはまってしまった様相がO-swing%37.5%というデータに現れています。

【創志学園】
得点7 打率.303 出塁率.425 長打率.394 盗塁2/3
OPS .819 wOBA .400
O-swing% 18.5%
Z-swing% 67.9%
Z-contact% 87.7%

【創成館】
得点0 打率.143 出塁率.143 長打率.179 盗塁 0/2
OPS .321 wOBA .140
O-swing% 41.3%
Z-swing% 66.7%
Z-contact% 90.0%

“創創対決“として注目された試合でしたが、打撃ではOPS .819 vs .321と創志学園の圧勝でした。創志学園・西投手のキレのあるスライダーに創成館のバットは空を斬り、O-swing%はなんと41.3%。4安打無四球と出塁もままならない状況に加え、創成館の走塁ミスも大きなマイナス要因となりました。4安打による出塁のうち、2回盗塁失敗。また1番・峯選手の長打は三塁で憤死という結果に。果敢な走塁には大きなリスクが伴います。そのリスク管理も試合をコントロールする上で大事な要素となります。

【土浦日大】
得点2 打率.200 出塁率.243 長打率.286 盗塁1/1
OPS .529 wOBA .299
O-swing% 28.6%
Z-swing% 78.6%
Z-contact% 83.6%

【興南】
得点6 打率.429 出塁率.421 長打率 .514 盗塁 2/3
OPS .935 wOBA .427
O-swing% 17.3%
Z-swing% 77.1%
Z-contact% 92.6%

 茨城予選では、チーム打率.388という強打を誇る土浦日大でしたが、興南の投手陣から放ったヒットは7本でうち6本は単打。9回のホームランで一矢を報いましたが、OPSでは .529 vs .935と興南に大きく水をあけられました。

西はスライダーで33.3%空振り、横浜・及川は12球ながら50%空振り

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