大阪桐蔭・柿木は奪空振り率25%で翻弄…データで見る甲子園【準々決勝1】

準々決勝の第1試合と第2試合をおさらい
準々決勝の第1試合と第2試合をおさらい

強打の浦和学院は根尾の荒れ球に的が絞れず

 かつて夏の高校野球選手権大会で1日3試合日程がデフォルトだった頃、準々決勝だけが1日4試合で行われ「準々の日」として人気だったそうです。もちろん現在でも、勝ち上がってきた強豪同士が戦う4試合が1日で見られるとあって大人気であることには違いないのですが。

 4試合のうち3試合のスコアが3-2という接戦だった夏100回目の準々決勝をデータで振り返ってみましょう。まずは第1試合と第2試合から。

◇大阪桐蔭 11-2 浦和学院

○攻撃指標(カッコ内は3回戦までの平均)
OPS 出塁率+長打率
wOBA 1打席あたりにどれだけチームの得点に貢献したかを表す指標
P/PA 1打席あたりの被投球数
O-swing% ボールゾーンのスイング率
Z-swing% ストライクゾーンのスイング率
Z-contact% ストライクゾーンのコンタクト率

【大阪桐蔭】
打率.308(.311)
OPS 1.053(.885)
wOBA 0.448(. 406)
P/PA 3.38(3.82)
O-swing% 22.1%(17.4%)
Z-swing% 68.0%(59.2%)
Z-contact% 80.4%(86.9%)

【浦和学院】
打率 .161(.319)
OPS .406(.927)
wOBA .187(.446)
P/PA 4.39(3.60)
O-swing% 32.9%(18.5%)
Z-swing% 61.7%(67.9%)
Z-contact% 70.3%(87.7%)

○大阪桐蔭・根尾昂投手の各指標
打者20 投球数95 WHIP 1.20
ストレート平均球速142.6キロ 最高148キロ
Zone% 38.9% 空振り奪取率 12.6% 見逃され率 13.7%

○大阪桐蔭・柿木蓮投手の各指標
打者13 投球数50 WHIP 0.25
ストレート平均球速143.8キロ 最高150キロ
Zone% 46.0% 空振り奪取率 28.0% 見逃され率 20.0%

 3回戦までチームOPS.927、1試合平均7.5得点の成績で、3回戦の二松学舎大付属戦ではZ-contact%が100%というバットコントロールの良さも記録した浦和学院。そんな強打を誇るチームでも準々決勝では大阪桐蔭の投手陣の前に沈黙しました。大阪桐蔭先発・根尾投手の荒れ球に狙いを絞れない様子がP/PA4.39から伺えます。追い込まれたカウントからスライダーに手を出すも25%の空振りを喫し、結局散発5安打で2得点しか奪えず敗退。埼玉県勢2連覇の夢は潰えました。

 大阪桐蔭は1試合4本塁打を記録。これは2006年智弁和歌山が対帝京戦で記録した1試合5本塁打に次ぐ記録。特に4番・藤原選手が渡辺投手の投じた143キロ内角高めのストレートをライトスタンドに運んだホームランは、その技術が高く評価されています。

 大阪桐蔭2番手・柿木投手は点差が開いた状況でのピッチングだったとはいえ、空振り率25%を記録。浦和学院の反撃の芽を完全に摘み、大量得点差での勝利に貢献しました。

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