第100回甲子園で成長した投手は? 150キロ右腕、技巧派左腕…2年の活躍目立つ
済美・山口は愛媛大会から1人で投げ抜く
〇山口直哉(済美)
金足農・吉田と同じく、山口も愛媛大会から今大会3回戦までをすべて1人で投げ抜いてきた。5試合で607球。2回戦の星稜戦では延長13回を184球で完投した。球速こそ140キロ台前半だが、変化球をコーナーに散らし、打たせて取るピッチング。1回戦の中央学院(西千葉)、3回戦の高知商(高知)戦では、ともに12個のゴロアウトを取っている。敗れた準決勝の大阪桐蔭戦でさえ、9個のゴロアウトを取った。カーブ、スライダー、チェンジアップなど多彩な球種を操り、2回戦の星稜(石川)戦こそ13回11失点、自責点8と崩れたが、自分のピッチングを貫いてチームを4強に導いた。
〇渡辺勇太朗(浦和学院)
南埼玉大会を継投で勝ち進んできた浦和学院は、今大会も初戦の2回戦、仙台育英(宮城)戦は4投手継投による完封勝ちだった。だが、3回戦の二松学舎大付(東東京)戦は渡辺が先発し、この夏初めての完封。MAX149キロの直球で押す強気のピッチングで、プロ注目のポテンシャルを見せつけた。準々決勝の大阪桐蔭戦では、根尾、藤原、石川に3被弾。特に、藤原には内角の厳しいコースの球を右翼席へ放り込まれるという悔しさを味わったが、持っている才能が一級品であることは間違いない。
〇奥川恭伸(星稜)
開幕カードだった1回戦の藤蔭(大分)戦では8回にMAX150キロを出し、8回8奪三振。続く済美戦では、足がつって4回限りで降板したものの、先発としての役割は果たした。2年生ながらスケールの大きさを感じさせ、侍ジャパンU-18にも選出された。劇的な逆転サヨナラ満塁弾で敗退してしまったが、星稜は野手にも1年生遊撃手として活躍する内山壮真などもおり、来年が楽しみなチームだ。
(Full-Count編集部)