ロッテ福浦「遠い存在」だった同い年の前で偉業達成へ 西武戦で決めたい理由

ロッテ・福浦和也【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・福浦和也【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

芸術的なバットコントロールで1998安打は左前打

 背番号「9」らしい一打で残り2本とした。ZOZOマリンスタジアムで行われた9月19日のソフトバンク戦。スタンドの注目を一身に浴びた福浦は外角のストレートにバットを合わせると打球は三遊間の真ん中を抜けていった。この男の代名詞ともいえる流し打ちで決めた1998安打目。しかし左前への安打は本拠地で行った7月18日の東北楽天戦以来、約2か月ぶりだった。

「反対方向への意識を持っていた。久々に反対方向に打つことができたね」

 0-0で迎えた2回2死一塁の場面。相手先発の松本裕と対峙した。外、外、内、内と攻められて迎えたカウント2-2。外角への140キロのストレートを打ち返した。見逃せばボールだったが、そこは流し打ち可能な領域として狙っていたゾーンでもあった。計算通りにおっつけると打球は広く空いていた三遊間の間を抜けていった。

「気持ちだよ。気持ち。あそこはもう一度、強く意識して打席に入っていた。インコースにも2球、投げられていたけど、どちらもたぶん逆球。基本的に外を攻められているという感覚があったので外への意識を持って待っていた。外のボールは流す方がヒットになる確率が上がると思っていた」

 体と心の感覚を微修正して打ち返した打球だった。左方向への流し打ちはこの2か月、打球が上がりフライになるケースが目立った。いい当たりもライナー性となりアウトとなっていた。スイングを見つめ返し、打撃映像を見直し、反省を繰り返した。言葉には表せない独特の感覚を頼りに日々、微修正を繰り返し、久々の一打につなげた。25年間で培った財産が生きた流し打ちだ。

忘れがたい2軍の初安打

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