人的補償で移籍した選手は活躍するのか? 引退の巨人脇谷は代表的な成功例
ロッテ高浜、ヤクルト奥村は移籍後に1軍出場を果たす
2008年の赤松真人は、駿足の外野手だったが阪神には同タイプの赤星憲広がいたために出場機会に恵まれなかった。新井貴浩の人的補償で広島に移籍してからはゴールデングラブを受賞するなど活躍。新井が再び広島に復帰してからは、安打で出た新井の代走に出ることもあった。2017年1月に胃がんの手術をしたが、今季は2軍戦に復帰している。
2014年の一岡竜司は、巨人ではほとんど登板機会がなかったが、大竹寛の人的補償で広島に移籍後は、勝利の方程式を担うセットアッパーとして活躍した。救援投手不足に悩む昨今の巨人にしてみれば、悔やまれる放出だったといえよう。
2011年阪神からロッテの高濱卓也、2015年巨人からヤクルトの奥村展征のように、元の球団では1軍出場の機会がなく、移籍先で1軍に初出場した選手もいる。脇谷も含め人的補償は元の球団でくすぶっていた選手にとっては、飛躍のチャンスだともいえるだろう。
プロテクトを外れた「残り物」にも、「福」があるのだ。今オフもFA移籍の選手が出るだろうが、人的補償に指名された選手は「チャンス到来」と受け止めるべきだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)